April 20, 2015

Charlie Hebdoのえげつなさ

 フランスの日曜日は、辛い。町中、ほとんど閉店。やっているのは数軒のカフェとケバブの店、アラブ人の商店ぐらい、あと映画館。仕方なしに午後は図書館に駆け込む。そこで見たのは。。。

 4月15日号のCharlie Hebdoの第1面を飾るのは、国民戦線の党首マーリヌ・ルペンのイラスト、しかも原始人のような姿で裸体を晒し、「こうして私の父を食った」、お尻から父親の目玉が!「この目玉が真実を見た」
 強硬派で父親のジャン=マリー・ルペンと意見が合わず、決別との噂のある娘のマリーヌ・ルペン。与党・社会党、野党で中道右派の国民運動連合に次ぐ、第三の政党として躍進中の国民戦線は、先の欧州議会選挙では予想を上回り、フランスの政党としては多数派になった。そんな極右政党の動きを黙って見過ごせないのがCharlie Hebdo。Charlie Hebdoはどちらかといえば極左。2面を見ると、父親のルペン氏が丸焼きにされたり、言葉に表せない、おぞましい姿のイラストに。

 ちょっと日本人の感覚・感情では耐えきれない。「いくらなんでも」と叫びたくなる。
 テロは絶対に許せない。人の命を奪うことは絶対にあってはならない。しかし、批判にも品格と節度が。。。

 「国民戦線のルペン氏が大統領になるってさ」
 「そんなバカげた冗談、あり得ねえ!!!ぎゃははぁ」
 って笑い話になるくらい、国民戦線を小馬鹿にしていた。かつて、父親ルペン氏の発言は実現性に乏しく、むしろ滑稽に思えた。
 しかし、娘のマリーヌはソフト路線に変更、一気に力をつけた。その最中の親子喧嘩。左派の論陣が黙っているわけない。

 黒人女性大臣と話題を呼んだクリスチャーヌ・トビラ司法大臣を「木にぶら下がっていろ」と猿の子どもの写真とともにFacebookに掲載したのが国民戦線の選挙候補者だった。
 これには右派、左派ともに人権侵害と激怒。裁判で決着がついたが、当のトビラ司法大臣は涼しい顔、さんざん経験してきているから動じなかった。(パリの町を颯爽と自転車で通勤するトビラ司法大臣、Falconは応援しています、日本の議員にも見習ってほしい。そうそう、テレビ局のアナウンサーにもね)

 日本の穏やかな暮らしとは、かけ離れたフランス。さすがフランス大革命の国と思いたいが、この文化の凄さについていけない。

 ちなみにCharlie Hebdo紙、コレージュとリセの学校図書館にあります。《はだしのゲン》のフランス語訳もあります。

 そういえば、フランソワ・オランド大統領の元々の伴侶、環境大臣のセゴレーヌ・ロワイヤル氏は、かつて「日本の漫画はセックスと暴力ばかり」と非難した。そのロワイヤル氏の支持基盤がポワトゥ=シャラントゥ地域圏で、皮肉というか、この地域圏には国際バンドデシネ(マンガ)センターがあるアングレーム市が含まれる。

Posted by falcon at 04:55:30 | from category: Main | TrackBacks
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