March 27, 2015

なんとなくNantes、なっとかなるさ

 なんとなく南都に来ています。南都と言っても奈良ではなくて、フランスのナントです。そう、世界史でアンリ4世のナントの勅令でお馴染みの町です。

 『地球の歩き方:フランス』には載っていなかったと思います。そのためか日本人観光客は全く見られません。特に観光の目玉は無い気もしますが、ナントの大聖堂、ナント城は一見の価値があります。市内には古い建造物も多く、なかなか良い街です。

 歴史的な経緯からはブルターニュ地方の一部なのですが、ブルターニュ半島からは少し離れているので、大西洋に面した南西地域と扱われることが多いですね。フランスの歴史上、興味深い街です。ブルボン王家の時代には黒人奴隷貿易の中心地でした。

 ジュール・ベルヌ中学校・高等学校の図書館CDIと市立図書館Mediatheque、印刷博物館、クレマンソー高等学校CDIを見学しました。学校図書館の担当者と連絡ができなかったので、思い切って学校に出向いて、交渉して、見学させてもらいました。CDIには専任のドキュマンタリスト教員がいますから、話が通じれば、見学できます。

 「フランス語が話せれば、っていうこと?」

 Exactement!地方都市ではなかなか英語は通じません。

 印刷博物館はMediathequeの建物の中にあります。リヨンの印刷博物館と同じかなと思っていたのですが、印刷の道具や機械が所狭しと置いてありました。たまたまサンマルタン中学校の生徒たちが先生に引率されて見学に来ていて、一緒に見学しました。ちょうどプレス・メディア週間だったので、その一環でしょうね。3つのグループで見学していたのですが、年長組のグループと一緒に見学していました。学芸員のお兄さん(おじさんかな?)が、Falconが聞いているのに気が付いて、だんだん勢いつけて説明していました。印刷の歴史や技術について、活字を作ったり、活字で原版作成したり、リソグラフィの印刷の実演を見せてくれたり、わかりやすく解説してくれたので大変いい勉強になりました。図書館情報学の重要なテーマですよね。
 学芸員の人と最後にちょっとだけ話したら、《あなたはフランス語が上手ですね。かなり勉強したんでしょ》《いやあ、それほどでも》正直、照れました。

 ドキュマンタリスト教員の先生たちも親切だったし。クレマンソー高校はナントの市内では最も大きな高校です。歴史も古く200年以上もの歴史があり、大学図書館にもない貴重な資料もあるそうです。
 学校図書館を生徒たちと先生たちが大変よく使っていました。ドキュマンタリスト教員がいるからなんです。勘違いしないでくださいね。ドキュマンタリスト教員は、日本の司書教諭とは養成課程も役割も全く違います。ましてや学校司書とも全く違います。
 クレマンソー高校のドキュマンタリスト教員が言っていましたけど、ヨーロッパの中ではフランスが一番進んでいると。確かにイタリアもスペインもドイツもオランダもベルギーも北欧諸国も、フランスのドキュマンタリスト教員の養成に関しては注視しています。デンマークとポルトガルは学校図書館に力入れていますけどね。

 「アメリカ、イギリス、カナダはどうなの?」

 実はそうでもない。国際大会では大きな顔していますが、フランスの実情にはびくびくしています。


Posted by falcon at 04:25:05 | from category: Main | TrackBacks
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