November 18, 2014
まぶしくないフランス
今、9月に出版されたJean Jacques Goldmanの伝記を読んでます。「えっ、誰? ジャン・ジャック・ゴールドマンって?」
フランスで人気の高い歌手(シンガー・ソングライター)です。彼が最も人気があったのは1980年代かなあ、フランソワ・ミッテランの社会党政権のころですね。あの頃の彼はカッコよかったね。フランスではジョニー・アリディー以外、ロックで成功した人はいないと言われていました。ミッシェル・ポルナレフも奇抜なファッションで一世を風靡しましたが、ロックと言うよりも、ポップス系ですね。
ジャン・ジャック・ゴールドマンは、バラード調の落ち着いた曲もヒットしていますが、ロックンロールの曲も良い。一時は大統領よりも人気があったと言われています。思えば、1980年代ってフレンチ・ポップスの好調期でしたよね。
「ええ、そんなの知らなーい」
正統派シャンソンではイヴ・ディテーユや、ロック歌手ではイヴ・シモンとかさ、今でも活躍している歌手が目立った頃でした。
「えー、もう、知らない」
そうなんですよね、フランスって憧れる人が多い割には、全然、日本に情報が入ってきませんよね。
「ちょっと、待った。そのジャン・ジャック・ゴールドマンの伝記って、フランス語で読んでいるの?」
ええ、そうですとも、それが、何か?
「癪に障る〜〜う、自慢げに」
だって、そのくらいしか、取り柄が無いからね。
あっ、それで、玉村豊男さんの本を紹介しましたけど、今、この本も読んでいます。
飛幡祐規と書いて「たかはた・ゆうき」と読みます。男の人かと思ったら、女の人でした。
この人がNHKフランス語講座(テレビだったか、ラジオだったか忘れたけど)に書いていたエッセーを読んだことがあります。辛辣なことを書く割に、ユーモアのある人だなあと思いました。
飛幡祐規さんのこの本には、学校図書館のことはほとんど書いていませんが、「なるほど」と肯くことが沢山あります。歴史的な経緯など、学者や知識人が長ったらしく、一般人に理解しにくく書くことを、飛幡祐規さんは極めてあっさりと書く。フランス大好き出羽守(要するに、何かというと「フランスでは」「〜では」と連発する人)が眩しげに飾り立てて書くことを、ごく普通のこととして書いています。玉村さんもパリを等身大に描いていたけど、セピア色の靄(もや)がかかっている。郷愁と憧れがちょっぴり漂っていましたが、飛幡祐規さんの本では、全然まぶしくない。
「ねえ、飛幡祐規さんの本、なぜ読んでいるの?」
フランスが好きだからです。
「それだけかしら〜」
それだけですよ。
「何か、隠していそう」
詮索、御無用!
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