September 23, 2014

フランスのファーストレディ

 あのお、ちょっと気になること。

 今年の初め、フランスのオランド大統領が別の女性と密会したことが暴露されて、事実婚を解消したヴァレリー・トリールヴァイレールさんですが、オランド大統領の前の伴侶ロワイヤルさんとの事実婚解消のあと、しばらくファースト・レディとしての役目を果たしていました。

 で、今回はフランスのファースト・レディについて調査した件。

 「ねえ、それって、『月曜から夜ふかし』のパックリでしょ」

 まあ、細かいこと気にしないって!

 フランス国民がなんで大統領の伴侶のことを口うるさく話題にするのか、気になっていました。だって、フランス人って、個人のプライヴァシーを尊重しますよね。いくら大統領が公人とはいえ、伴侶のことまで口出すなんて、エゲツナイですよね。

 その理由と真相がわかりました。

 フランス大統領の伴侶であるファースト・レディには、活動費として国庫、つまりは国民の血税が財源となっている国の公費から支出されています。選挙で選ばれたわけでもないのに、政治活動ができますし、大統領府であるエリゼ宮で5人のスタッフに囲まれていたそうです。
 単なる政治家の妻、伴侶ではなく、自らも「政治活動」に参画できるのです。閣僚や議員でもないのに。
 フランス国民は知らないはずもなく、選挙のときは大統領の伴侶が誰かは知っていて、投票するのでしょう。織り込み済みなのですね。
 歴史的にもルイ15世の愛妾ポンパドゥール夫人が政治に口を挟んだことはよく知られています。要するに、王朝時代からの伝統なんですね。

 フランスのファースト・レディはただものではないことだけは、知っておきましょう。

 ということは、同じ社会党のロワイヤルさんと事実婚を解消したことは、それなりの理由があったと深読みしたくなりますね。

 中央アフリカの混乱、イスラム国への空爆、失業率の上げどまり、長引く不況など、もう手詰まり状態のオランド政権。とはいえ、夏、リヨンに行ったけど、なんだか楽しそうで活気があったけどなあ。新聞やテレビのニュースで伝えられることと実感は違うなあと思います。

 今、あの男が注目の的。ニコラ・サルコジ前大統領。日本の江戸時代の政治家に例えれば、サルコジ前大統領は田沼意次で、オランド大統領は松平定信っていうところかな。フランス国民は清き白河よりも、元の田沼が恋しいのかもしれません。

Posted by falcon at 00:35:17 | from category: Main | TrackBacks
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