November 01, 2013

せめてツボだけでも信じたい

 読書の秋ですね。

 で、今日は誘われて、イタリア文化会館の図書室と香りの図書館に行ってきました。

 香りの図書館で、今ちょうど読んでいる本の中に書かれているホメオパシーの本を拾い読みしていました。

 それで今、読んでいる本とは

 

 です。『フェルマーの最終定理』『暗号解読』『宇宙創成』の作者サイモン・シンとエツァート・エルンストの著作です。

 アメリカ合衆国初代大統領ワシントンが瀉血で血を抜かれて命を落とした真実が暴かれます。これまで読んだ本でも語られていた壊血病の恐ろしさには言葉を失います。

 この本では鍼、ホメオパシーなど代替医療を科学的な手法で徹底的に批判的究明を行っています。

 ホメオパシーは、この本を読む前から懐疑的でした。薬効成分がなさそうに思える石英、金、すでに漢方やハーブとして知られる植物の組織(なんとコーヒーも含まれている)、さらに明らかに毒であるトリカブトや水銀を含む鉱物・辰砂までも、極めて微量の溶液を使って、病気を治したり、症状を緩和したりする方法だそうです。その薄め方も数万倍、場合によっては百億倍も薄めると効果が出るそうです。百倍くらいなら効果ありそうですが、数万倍も薄めた溶液に効果はなさそうですね。それにホメオパシーのレメディ(処方)には動物のがん組織まで使うそうです。効果はあるかもしれませんが、ここまで来るとおとぎ話の魔女の毒薬のような気がします。「イワシの頭も」ということわざもありますけど、悩ましいですよね。コーヒーはもとよりカフェインやポリフェノールなどの成分があり、古来よりの嗜好品ですから、わざわざホメオパシーとして処方しなくてもという気がします。

 でね、著者らの鍼に対する攻撃が凄いんですよ。これでもか、これでもかと、まるで拷問のように責めるんです。たしかに大手術しているときに麻酔の代わりに鍼を使って痛みを止めたというセンセーショナルな報道番組について、実は麻酔薬を使っていたという疑惑が暴露されたことでは、虚偽の可能性が高いので、仕方ありません。
 それから中国では鍼が万病に効くと信じられているのには無理があるのも御もっともなことです。鍼ですべての病気が治ると豪語するのは余りにも強引です。Falconは鍼の経験はありませんので、何とも言えません。でも、指圧やマッサージでツボを刺激することは効果があると思います。勿論、万病に効くとは思っていません。
 著者らのように、鍼も灸も指圧も、プラセボ効果しかないと決めつけるのは、あんまりですよね。

 私の知り合いで鍼やホメオパシーなどの代替医療に飛びつく人がいます。「そのお医者(施療師)さんは、滅多に診療してくれない、立派な人なのよ」と、たびたび自慢げに話しています。
 私は「それだけに頼りきりになるのは、どうかなあ」と思うのですけど、年配の方なので、にこにこ笑って、「へえ、そうですか」と感心して相槌を打つようにしています。

 Falconなりの結論ですが、人間の免疫力(病気に対する抵抗力)と回復力に優る薬と治療はないということです。薬にしても、マッサージなどの施術にしても、あくまでも免疫力、回復力の補助なんですよね。

 せっかく読みかけたので、この著作、じっくり読みます。

Posted by falcon at 22:47:40 | from category: Main | TrackBacks
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