September 06, 2012

ヘルシンキのここが穴場!の図書館3ノルディック図書館

 スウェーデン文学協会を後にして、大聖堂の裏側を歩いてゆくと、国立古文書館の豪壮な建物を目にします。ここは見学可能か?わからなかったし、仮に見学してもフィンランド語がわからなければ、意味がありません。
 やがてフィンランド国立図書館の前に来ます。ここは2日前に訪れました。観光客でも自由に使うことができます。建築や内装が素晴らしい。いずれにせよ、フィンランド語がわからないと、その図書館の良さは理解できません。図書館は使ってみないと、その感触がつかめない。
 今年のはじめ、フィンランド国立図書館のユニークな試みがニュースとして流れました。古文書の解読にコンピュータゲームの愛好家(ゲーマー)の力を借りるというものです。コンピュータゲームを楽しむうちに、古文書の解読ができるという。コンピュータゲームをしている間は夢中になっていますが、終わった瞬間、何と虚しい思いが残ること!それがゲームに夢中になっている間、古文書の解読になってしまうという、大逆転の発想です。
 地味な話ですが、NHKの科学番組で取り上げてくれないでしょうか。

 国立図書館の周辺はヘルシンキ大学の建物が取り囲んでいます。
 ちょうど、数日前に訪れたヘルシンキ大学の中央図書館カイザーハウスが見えたので、その前を通ってみることにしました。仕上げの最終段階ですから、勿論、立ち入り禁止です。数日前はちゃんと許可があったから入れたのです。

 カイザーハウスの前の坂道を下ってゆくと、カイサニエミの通りになります。植物園もすぐ目の前です。路面電車の停車場のすぐ目の前に、本を開いて頭に乗せている少年の顔のポスターが目にとまりました。ここはIFLA大会中、誰しもが通りかかっている通りです。ヘルシンキのど真ん中で、地下鉄のカイサニエミ駅の出口からもほんのちょっとのところです。

 このポスター、う〜ん、あやしい。

 茶色の硝子窓で、中はほとんど見えません。これで、ここが図書館であると気が付く人は、全くと言っていいほど、いないと思います。お釈迦様でも気が付くめい!と思いたくなります。
 あとで、「ここが図書館です」と他の参加者に教えたらば、「ええ、わからなかったあ〜」と叫び声をあげていました。
 ヘルシンキ市立図書館ならば、二重引用符の旗がありますから、「市立図書館ね!」と気が付きます。

 一応、図書館と書いてありますし、曜日の開館時間が書いてあるので、間違い無いでしょう。もし、入館が許可されないなら諦めて帰れば良い。

 ドアを開けて入ってみると、受付カウンターの女性2人が「ノルディック図書館にようこそ」とにこやかに迎えてくれました。

 「ここはヘルシンキ市立図書館ですか」
 「いいえ、ここはノルディック図書館といって、あえて言えば、専門図書館ね。ヘルシンキ市立図書館とは全く違います。窓側には北欧各国の新聞と雑誌が置いてあります。北欧って知っていると思うけど、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの4カ国とアイスランド。バルト3国の資料も若干あるけど」
 「へええ。AV資料もありますね、貸出可能なんですか」
 「もちろんよ。誰でも借りられますよ。市立図書館みたいだけど、北ヨーロッパの資料を専門に扱っている図書館なの。AV資料の後ろが小説や一般書で、奥の書架には児童書を排架しています。」
 「一日にどのくらい利用がありますか」
 「今は学校も大学も夏休みだから、ほとんど利用者がいませんけど、学校や大学が始まると、子どもや学生がたくさんやってきます。みんな北欧のことを調べにね。1年のうち10カ月程度開館するんですけど、延べ人数で年間26,000人くらいですかね」
 「この図書館は新しく見えますけど、いつから設立されたんですか」
 「ノルディック研究所自体は15年くらい前です。以前は、中心部から離れた場所にあったの。7年くらい前に、ここに移ってきて、活気があって人々が良く利用します、4年くらい前に内装を明るくしました。私は古いけど」

 (おいおい、笑えない冗談いうなよな)

 駅の近くの郵便局の建物の上にヘルシンキ市立図書館があります。また、駅からは少し離れていますが、古くからのヘルシンキ市立図書館本館があります。2017年には駅の北側にヘルシンキ市立図書館の新館がオープンします。

 というわけで、ノルディック図書館は目立たないけど、なかなか素敵な図書館でした。

 ヘルシンキ中央駅、アテニウム美術館からも、徒歩で7分足らずです。
 地下鉄でもトラムでも行けます。カイサニエミ駅の近くです。
 開館時間に注意してください。

えっ、なぜ、もっと早く、教えてくれなかったのかって、私も気が付いたのが閉会式の昼間に散歩していたら、発見しましたからね。他の参加者の方には申し訳なく思っております。
 

Posted by falcon at 11:50:10 | from category: Main | TrackBacks
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