August 22, 2012

うふふ、みんなが知らないヘルシンキの図書館

 フィンランドと聞けば、PISAの国際学力調査で最上位を維持していた(その後、アジア諸国に追い抜かれた)ので、教育大国として知られて、日本の研究者および研究者ぶっている連中は、学校図書館に注目している。ところが残念なことに、フィンランドの学校図書館は、学校に無いか、あっても貧弱で、ほとんどの場合、公共図書館へ児童・生徒を行かせるか、移動図書館でのサービスを受けている。
 今回、タンペレ市立図書館の分館を見学して気が付いたのであるが、学校の校舎の中に市立図書館の分館があった。要するに千代田区の昌平まちかど図書館(昌平小学校:秋葉原の電気街の近く)や神田まちかど図書館(千代田小学校:JR神田駅、丸ノ内線淡路町駅の近く)などとそっくりである。
 てっ、なわけで、フィンランドの学校図書館は期待外れであった。
 尤も、IASL大会でフィンランドの参加者に実情を聞いていたから驚きもしなかったけど。

 公共図書館、つまり市立図書館の利用率は世界で最大で、フィンランドの国民は図書館をよく利用して、本をたくさん読んでいるとして知られているが、これもブログでたびたび説明しているように、止むに止まれぬ理由があるからだ。背景も考えずに、現象だけで判断して、立派だというのは、馬鹿でも言える。学者ならば、ちゃんと理屈を考えて説明するべきだ。

 で、言いたいことは、今回の日本からの参加者で誰も関心が無く、見学する人がFalconのほかにいなかった、いくつか図書館を見学した。
 フィンランド文学協会の図書館とスウェーデン文学協会の図書館、そして北欧諸国の資料を収集してヘルシンキ市民に開放して貸出もするノルディック図書館を発見して見学した。
 今日は時差ボケで深夜起きて書き込みしているので、この3つの図書館については、後で書く。
 ただ、言っていきたいのはフィンランド文学協会は世界的に民話研究で知られていて、これを知らないのは図書館員の恥に等しい。ましてや「児童文学の専門です、学校図書館の専門です」と言い張っているのに、ヘルシンキに来て、直ちにフィンランド文学協会へ行かないのは、愚の骨頂である。
 Falconは大学時代、ムーミンの翻訳者の一人、高橋静雄先生にカレワラ(カレヴァラ)を教えてもらったので、フィンランド文学協会を知っていた。思いだしていなければ、帰国して実に無様な参加者になるところだった。

Posted by falcon at 01:39:44 | from category: Main | TrackBacks
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