June 20, 2012

雨にセザンヌ

 6月初め、会期終了が迫っていた国立新美術館の「セザンヌ展」に行ってきました。

 後半生は故郷のエクサン・プロヴァンスにこもって画業に励んでいたと言われていますが、パリをはじめとする北フランスを訪れて、油彩画を描いていたようです。それをテーマとしたのが今回の展覧会です。

 セザンヌは多彩な画家で、リンゴとオレンジの静物画、サント・ヴィクトワール山、女性と男性の水浴画などの同じようなテーマの絵が多いと見受けられがちですが、さまざまなテーマのも描いています。
 初期の作品は、荒々しさ、初々しさが感じられるものの、「こんな絵も描いていたんだ!」という発見がありました。

 セザンヌの絵は構図がしっかりしていて、さらに理論的な裏付けがある、計算されつくした絵が多いのですが、人物の肖像画には心細やかな思いやりが感じられて好きです。今回の展覧会では、故郷の人たちや庭師を描いた絵が心に残りました。少年が寝そべっている絵も、ちょっとユーモラスでした。

 この日は東京・乃木坂あたりは雨。ちょうどニュースで梅雨入りが告げられた日でした。

 山青し、雨にセザンヌ、梅雨まぢか  一騎

 「一騎」という俳号、気に入っています。

 リアル砂川でした。

Posted by falcon at 02:04:42 | from category: Main | TrackBacks
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