January 23, 2012

フランスの大学は3年で学士号

 東京大学をはじめ、いくつかの有名大学が秋入学を検討している。
 4年制大学に秋入学となると、3月に高校卒業してから9月に大学入学までの約5カ月、7月に大学卒業してから、4月に入社・就職までの9か月が空白になり、現行の4月入学の大学の学生に比べると、約1年オーヴァーする。
 そこで、ワイドショーや報道番組で、現役の大学教授や、大学で教えているタレント講師などが、「その間、海外留学すればいい」とか、「海外ボランティア活動すればいい」とか、「読書すればいい」とか、お屠蘇気分で、能天気で呑気なことをコメントしていた。
 読書することには賛成である。就職したら、じっくり本を読めなくなる。マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』なんて、読みたくても、読む時間が無いし、気力が萎える。
 だが、よく考えてもらいたい! 今、東日本大震災で国全体で一丸となって復興対策を考えている中、平成大不況、福祉目的の増税が叫ばれている現状で、わが子を海外へ留学させられる保護者がどれだけいるだろうか。海外ボランティア活動ができる余裕を持った若者がどれだけいるだろうか。ユーロ安、ドル安で、超円高であっても、海外留学なんて、もってのほかというのが現状ではないか。それに海外に行かなくても、日本で十分に学ぶことができる。日本の科学技術は世界でもトップクラスだし、文化芸能だって世界中から注目されている。日本の若者が海外へ留学しなくなったのは、経済的な問題もあるが、情報通信技術のおかげで、海外の情報が容易に入手できるし、海外は観光以上に魅力が無いからだ。アメリカに行きたいと思いを掻きたてられたのは、「アメリカ横断ウルトラクイズ」で福留さんが「ニューヨークへ行きたいか!」と叫んだときぐらいだったよね。
 そこで、現実的な提案をしたい。
 秋入学を検討するなら、大学の学士号はフランスのように3年で取得できるようにしてもらいたい。高校卒業後の5ヶ月間を受験勉強の期間にして、3年で大学を卒業して、大学卒業後の約9カ月を就職活動に当てて、なおかつ、早く就職が決まった者で経済的に余裕があれば、海外へ行けばよい。こうすれば、現行の4年制大学の学生と時間的な格差が生じない。

 実際、4年間大学に通っても、卒業に必要な単位は3年生までで、楽々と取得できる。さらに教職、図書館司書、学芸員などの資格課程を受講しても、多少無理してでも、3年で十分に取得できる。Falconは、教職課程と学校図書館司書教諭課程を大学で受講したが、3年生まででほとんど習得できた。しかも、卒業単位にならない第2外国語のフランス語の応用科目の授業や第3外国語としてロシア語の授業をとって、これらも卒業単位にならない他学部の授業を3科目「盗講」しても、問題なかった。4年生では、必修科目2科目と資格の科目2科目、教育実習、卒業論文だけだった。しかも、卒業論文は3年生までで書きあげており、4年生で加筆して、清書して、提出を待つのみだった。

 秋入学を実施するなら、3年間で学士号が取れる仕組みにするのが現実的である。

Posted by falcon at 02:00:43 | from category: Main | TrackBacks
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