May 22, 2011

図書館を何でもいいから使ってしまうことについて

 例のデンマークの公立図書館でイスラム系の住民のためにコミュニケーションの場として使う件について、ある人からFalconの意見に賛同の上、学校図書館を職員会議で使うのは問題と思うという意見を頂戴した。デンマークの公共図書館の問題と少し状況は異なる気がするが、日本では、学校図書館を職員会議やPTA会議などで使っている。
 Falconが沖縄の大学で教えていた時に、学生たちに学校図書館と聞いて、どう思うかと尋ねたことがある。

 沖縄県は学校司書(学校図書館で働く図書館職員)の配置率が高く、かつては全国1位だった。最近は学校司書の配置が進んでいる県が増えていますが、今でもトップレベルだと思う。

 沖縄の学生たちの数名が「学校図書館では始終、職員会議があって、使った記憶がない」と答えた。
 沖縄の学校では、真っ先に冷房が設置されるのが学校図書館で、職員会議は冷房のある学校図書館で行われる。一年中温暖で、春から夏は猛烈に暑い。だから、沖縄の学生にとっては、「学校図書館=職員会議」なのかもしれない。

 メールでコメントをくださったのは北海道の学校の先生である。おそらく北海道でも学校図書館に*空調が設置されるので、職員会議が学校図書館で行われるのだろう。

 *空調について、北海道の先生からご指摘いただいたので、あえて訂正します。北海道では暖房があり、冷房がないそうだ。Falconは毎年9月(ときどき冬に行くことがある)に北海道へ行く。北海道は意外と暑い!地球温暖化の影響だと短絡的に思いたくないが、8月に札幌へ行ったとき(名馬ディープインパクトに出会った日だよ)は摂氏30度を超えたことがあった。実は沖縄は日差しは強いが、気温は31度を超えることはほとんどない。夏は沖縄よりも北海道が暑いことがある。北海道には、いくら暑くても冷房がない。北海道に避暑を期待してはならない。北海道は過酷な環境だと思う。

 フランスでも学校図書館が生徒と保護者の面談や会議に使われることがあるようだ。映画『パリ20区、僕たちのクラス』で描かれている。原作の『教室へ』には書れていなかったけど。

 沖縄のある町で、公立図書館を建設する前に、住民との話し合いをしたときに、「子どもの勉強部屋ができるので良かった」という意見が多かった。「図書館は勉強部屋代わりではなく、資料を活用するところなんで。。。」と説明したら、「税金でつくる図書館なんだから、住民がどう使ってもいいじゃないか」と猛反撃された。たしかにそうなんだけれども、場所貸しは図書館の本質的な目的とは関係ない。

 「図書館情報学者」の人には、実に馬鹿馬鹿しい、くだらない問題に思えるだろう。でも、図書館の世界は泥臭い問題が山積みである。

 もしかすると『知の広場』が解決の糸口を与えてくれるだろうと思っている。

Posted by falcon at 23:04:22 | from category: Main | TrackBacks
Comments
No comments yet
:

:

Trackbacks