November 23, 2009

緑ずきんくん

 緑ずきん君は、お父さんに頼まれて、森の小さな泉の近くに住む、おじいさんの家へ重い槍を届けに行きました。

 意地の悪いオオカミは、やさしいおじいさんを食べてしまい、おじいさんになりすましていました。

 緑ずきん君は、おじいさんの家の玄関をとんとんと叩きます。奥のほうから、「おはいり」と低い声が聞こえます。

 「おじいさん、重い槍を持ってきました」
 「ありがとう、さぞかし重かっただろうね」

 「平気です。おじいさん、学校で食べ物のことを教わっているけど、どうして食べ物について勉強しなければならないの」
 「それはね、食べ物をたくさん食べて、厳しい訓練に耐えられる丈夫で元気な大人になるためにじゃ」

 「おじいさん、どうして友情が大切なの」
 「それはね、大切な友達のために、命を投げだしてもいいという覚悟のためじゃ」

 「おじいさん、どうして連帯感が大切なの」
 「それはね、みんなで同じ仕事をするには、一人だけ我儘なことをしてはいけないからじゃ」

 「おじいさん、どうして家族が大切なの」
 「それはね、お前を育ててくれたお父さん、お母さんに恩返しをしなければならないのじゃ」

 「おじいさん、どうして郷土を愛さなければならないの」
 「それはね、お前をやさしく見守ってくれた地域の人を大切にしなければならないからじゃ」

 「おじいさん、どうして自然を敬わなければならないの」
 「それはね、美しい自然の中には八百万の神が宿るからじゃ」

 「おじいさん、どうして国を愛さなければなならないの」
 「それはね、悪い国が攻め込んできたときに、家族も、郷土も、国も守らなければいけないからじゃ」

 「おじいさん、どうして正義が大切なの」
 「それは簡単だ。アメリカが悪い国と決めるために、正義を掲げているからじゃ。さあさあ、その重い槍を持って、イラクへ、アフガニスタンへ行っておいで」
 「はい、わかりました。心のノートで学んだことを心に刻んで、戦地に赴きます」

Posted by falcon at 22:17:05 | from category: Main | TrackBacks
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