January 24, 2009

時空を超える書物

 スウェーデン国立図書館館長のサーリン氏の言葉で思い出したのが、「エンデュミオンと叡智の書」(新潮文庫)です。オックスフォード大学の図書館で少年が見つけた空白の書物をめぐって、時空を超えた謎と冒険の旅が始まります。
 舞台となるのは、現代のイギリスの大学都市オックスフォードと中世のドイツの街マインツ。
 空白のページに隠された秘密とは。

 金属活字をヨーロッパではじめて開発したグーテンベルクのもとで働く少年の運命は?



 1450年ごろにグーテンベルクが金属活字を開発したことが、歴史の教科書にはことさらに叙述されますが、それをさかのぼる200年くらいに前に朝鮮半島に栄えた高麗王朝にすでに金属活字を用いた印刷技術はありました。木の活字や陶器でできた活字は中国の宋、あるいは元の時代にあったとも言われています。グーテンベルクに関しては謎が多いので、本当に独自に開発したのか?疑問な点も残ります。

 この小説には、ハリー・ポッターの映画のロケ地の一つになったデューク・ハンフリー図書館も登場します。

 ずいぶん前に、イギリスへ初めて行ったとき、オックスフォード大学のウォーキング・ツアーに参加しました。ちょうどボードリアン図書館が修復工事中だったので、入口のところだけしか見学できませんでした。

 ちなみにイギリスで最も古い図書館はオックスフォード大学のマートン学寮の図書館だと言われています。マートン学寮と言えば、皇太子殿下が留学されていました。

 この小説は映画化も決定しているようです。

 そういえば、『図書館ねこデューイ』もメリル・ストリープ主演で映画化が決定しているようです。

 図書館を舞台にした2つの映画の公開が待ち遠しいですね。

Posted by falcon at 01:41:50 | from category: Main | TrackBacks
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