June 18, 2008

桜桃忌

 明日(19日)は桜桃忌だ。
 スーパーマーケットの店頭には、さくらんぼが並んでいる。

 桜桃忌は太宰治と山崎富栄の遺体が発見された日で、奇しくも太宰治の誕生日だった。失踪したのが6月13日で、玉川上水に身投げしたと考えられて、この日が命日とされている。

 三鷹の禅林寺には、太宰治の墓のすぐ目の前に、「森林太郎」の墓がある。文学部の大学生でも「しんりん・たろう」読むらしい。昔、山田太郎さんが「新聞太郎」(←「朝刊太郎」でしょ!)って、歌ってたっけ。
 森・林太郎、森鴎外のことである。文学部でも森鴎外の作品を読んだことない学生がゴロゴロいる。教科書で『舞姫』を読んだことないのかな。

 学生「ああ、そのころ、部活で忙しくて、記憶ない!、それに推薦で、大学行くことになっていたし!」
 Falcon「ええ、それで高校の国語の教師、目指しているの?」(絶句)

 太宰治の作品だって、「走れメロス」以外、読んでない学生もいる。『人間失格』のほかにも、初期作品集『晩年』、『グッド・バイ』など名作はたくさんあるんだけどね。太宰は人を喜ばすことが
大好きな作家だったようだ。意外と明るい作品も数多い。
 中学生の時、『東京百景』を読んで、「売笑婦」のことを「女性コメディアン」と思い込んでいた。授業中、中学の先生に尋ねたら、あとで職員室に呼ばれて、説教された。そんな甘酸っぱい思い出もあるな。

 ところで、三島由紀夫は太宰治のことが嫌いだったらしい。一方、森鴎外のことは敬愛している。三島の『仮面の告白』を読む限り、太宰治の作風を相当意識しているとしか思えないのだが、似た者同士、反発していたのだろう。

 今年で、太宰治没後60年になる。
 青春の作家は永遠だなあ。

Posted by falcon at 02:24:37 | from category: Main | TrackBacks
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