October 27, 2007

こんな日本に誰がした?!第2弾

 読書週間だ!
 「子どもの読書活動推進に関する法律」「文字・活字文化振興法」により、子どもも大人も読書をしよう!と国からせっつかれている。
 そもそも読書を法律で推進しなければならない必要があるのだろうか。
 子どもの活字離れが深刻といわれているけど、実はその言説をよく吟味して考える必要がある。この言説の根拠となっているは、毎日新聞の読書調査である。小学生は実によく本を読んでいる。だから、問題ない。「活字離れ」と言われているのは、中学生と高校生である。
 中学生と高校生は、極めて余裕の無い生活を送っている。なにしろ、部活動に追われている中高生は、夜明け前から早朝練習、放課後も練習、休日は大会出場。そのうえ、塾へ直行して、勉強。そして、大人たちから「明るく元気な青春生活」を送るように期待される。これで、読書をしている暇は無い。マンガも、雑誌も読めない。新聞も読めない。テレビを見るのがやっとこさ、気が紛れないから、メールやブログで級友たちを虐めるくらいしか密かな楽しみを見出せないのだ。土曜日が休みになっても、彼らには「ゆとり」がない!Falconだったら、「もう放って置いてくれ」と叫びたくなる。本当に「ゆとり教育」を実現するなら、部活動を即刻、強制することをやめて、早朝練習もやめて、放課後は自由にさせるべきだ。(ここは、教育再生会議で真面目に論議してほしい。中学校を4年制、5年制にするなんて、非現実的なことを論議することよりも、重要なことだ。中学校を4年制、5年生にしたら、教室の確保をどうするのか、先生の数を増やすにはどうするのか、厳しい国家財政の中で実現できるわけが無い。教室を確保するには、校舎を増設して改装しなければならない。そうすれば土建屋さんが喜ぶだろう。でも、それだけの予算をどこから捻り出すの?財務省が試算すれば、絶対NO!に決まっている。教育再生会議って、暇なお茶飲み会議だったのか!)
 「総合的な学習」を短縮する必要は無い。だって、今回の全国統一テストで、応用力が身についている子どもは、アンケートで総合的な学習が好きと答えている。PISA型読解力を身につけるなら、「総合的な学習の時間」は必要である。

 「最近の大学生は、本を読まない」という話を聞く。
 そのとおりである。20年前だったら、絶対に大学生にならなかった、勉強が余り好きでない高校生をジャンジャン大学に入学できる仕組みを作ってしまったから、本を読むだけの能力がない学生が増えた。しかも、中学時代、高校時代、部活と塾で明け暮れて、本も読むゆとりがなかった高校生を受け入れるのだから、統計を取らなくても、本を読まない大学生が多いのは当然である。大学の教科書、専門書を読めるはずがない!
 団塊ジュニアが受験した20年前に大学の入学定員を増やして、それに見合うように教員を増員してしまった。今になって、その教員の人件費を維持するために、受験生が減ってきているのに、どんどん間口を広げている。そこへ吸い込まれるように、入学するから、本を読まない大学生が増えてしまう。大学教育は、わかりやすくするため、基本的な専門用語を何度も説明しなければならなくなり、レベルがどんどん下がる。ある有名難関大学の工学部では、高校物理を何度も説明しているらしい。文学部日本文学科の学生で、「藤原道綱母」「菅原孝標女」が読めないのだ。「勉強していないもん!」って言われたら、二の句が継げない。これで、高等学校の国語教員を目指していると真剣に言われたら、臍で茶を沸かす!大学図書館は、矜持もなく、どうでもいい蔵書の山になる。
 御免、最近のFalconは不満だらけだ。情けないの一言に尽きる。
Posted by falcon at 01:24:40 | from category: Main | TrackBacks
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