August 30, 2007

女性がセクハラの加害者!「弱い立場」からのイジメ

 今日(8月30日)の読売新聞夕刊に、女性がセクハラの加害者になるという、ある意味で衝撃的な記事が掲載されました。
 「女性は男性に対して弱い立場である」と過剰に意識する一方で、平気で男性の気持ちを傷つける女性がいます。これは男女というジェンダーの問題ではなく、人間としての生き方の問題です。

 読売新聞には、患者から危害を受ける医師、医療関係者についての記事も、少し前に掲載されました。これは「弱い立場」と思われていることを良いことに、相手に対して居丈高な態度を取る卑劣な行為です。
 女性に対して男性は、患者に対して医師は、「強い立場」だからという理由で、泣き寝入りしなければならない状況が、これまでも多くあったはずです。

 学校や大学でも、同じようなことが起こっています。
 ある大学で、講師に遅刻を注意された学生が「講師の注意のしかたが悪い」と怒り、大学の教務課に友人数人と押しかけて、大学職員に訴えて、その講師を辞めさせた話があります。中には、辞めさせた講師の数を自慢気に語っている大学生の話を聞いたことがあります。背すじが冷たくなるような話でした。
 大学で行なっている、無記名の「授業評価アンケート」で、学生から講義内容が良くないと書き込まれて、辞めるように仕向けられた大学教員を知っています。その先生は、確かにオーソドックスな教え方で定評がある先生ですが、教えている内容は悪いと思えません。あんな人気投票みたいなアンケートは無駄です。もし、どうしても実施したいなら、学生の記名してするべきです。
 それから、大学の先生も教えっぱなしにしないで、学生の意見を聞いたり、発表とレポートの相談を受けるようにしてあげたほうが、良いと思います。今の学生は、かまって欲しいというか、相手して欲しいですね。つまり、先生と話がしたいのです。内心、馬鹿にしていても、講義の間は大学の先生は「光り輝くスター」ですから、学生にとってスターと話せるのは光栄なんです。
 世界史を学んだ人なら知っていると思いますが、「陶片追放」っていうのがありましたよね。あれと全く同じです。今の大学は「衆愚教育」になっています。
 最近、やっと話題になったモンスターペアレンツの件も、同様な状況でしょう。これまでは「弱い立場の」親たちが、理不尽な要求をしてくる。これじゃ、教師はやってられません!

 それから、ネットの書き込み、メールのやり取りで、エスカレートして、学校の先生、大学の先生が大変な被害にあっています。
 「子どものやることだから、大目に見てやれば」「そんなこと、気にすることないよ」と言われるかもしれませんが、そんなに甘く考えてもらっては困る。子どもや学生たちのすることとは言えども、これは大変な人権侵害であり、もっとはっきりいえば、ネット書き込みで職を奪われることになるんです。軽視してもらっては困ります。

 いずれも、泣き寝入りしても、解決はしません。被害にあったら、複数の人に知ってもらって、冷静に事実を判断してもらい、著しい人権侵害であれば、女性、子ども、学生、保護者、患者であっても、容赦はせず、厳しい態度で臨んで対処する必要があります。イジメに「弱い立場」「強い立場」はありません。「加害者」と「被害者」しかいません。

Posted by falcon at 20:30:02 | from category: Main | TrackBacks
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