July 09, 2013

カブトムシ発見!

 月曜日の夜、水泳教室を終えて、プールの外を歩いていると、カブトムシがいた。
 飼っていたのが逃げたしたのだろうか、それとも育てていたのが羽化したのか、あるいは森の中で羽化したのか、さまざまな疑念がわきあがったが、いずれにしても、屋外で夜、プールの周りの広場で這いつくばっていた。この暗がりでは誰かに踏まれてしまう。そこで、なんとか、この窮地を救いださなければと思った。

 実はFalconは、カブトムシに触れるのは苦手である。ほかの虫は至って平気に捕まえられる。ゴキブリでも、カマキリでも、イモムシでも、毛虫でも、何の問題なく捕まえられる。昆虫ではないが、蜘蛛だろうが、ムカデだろうが、ミミズでも全く平気である。

 が、しかし、カブトムシだけはダメだ。
 カブトムシは力が強い。無理に捕まえると、足がもげてしまうのではないかとハラハラする。指に絡みつくと、カブトムシの足先が刺さって痛い。それから、カブトムシの体は、やけにデカイ。その体躯が、昆虫というより獣に近いものを連想する。ほかの昆虫は平べったかったり、細かったり、小さかったりする。
 それにこのカブトムシ、こっちが気を使って、安全なほうに誘導するのに、怒りまくって、「余計な御世話だ」と言わんばかりに威嚇してくる。オスのカブトムシの割には小ぶりなくせに、威嚇の仕方は並はずれている。関東地方の連日の猛暑で、羽化したばかりなのだろう。極めて威勢が良い。

 「ああ、もう、この馬鹿野郎!」とカブトムシ相手に怒鳴りたくなる。「何も、お前をつかまえて、虫籠で飼おうなんて、幼稚な考えは無いんだよ、とにかく、お前さんを安全な木の枝に運んでやりたいんだよ。こっちの気持ちをわかっておくんなまし」と懸命に語ってみても、通りかかった人から恐ろしく、あやしい人物にしか見られない。
 もう、仕方ない、腹を決めて、カブトムシの腹を指で挟んで捕まえた。と、途端に、カブトムシは指に絡みつき、今度は母親の背中にかじりつくようにおんぶしてくる幼児のようである。急に大人しくなった。「なんだ、お前、肝っ玉の小せい奴だな」とせせら笑ってやった。人間でも偉そうにしている奴とか、気取っている奴ほど、ちっと脅かせば、赤子のように大人しくなる。さっきの威勢は虚勢かと、角のあたりを軽く小突いてやった。

 近くの桜の幹につかまらせた。

 「今度は人間様に見つかるなよ。おいらみたいな、虫を愛する奴ばかりとは限らねえからな」と話しかけると、見る間に桜の幹を足早によじ登っていった。

 なんだか夢のようだった。そう、真夏の夜の夢。
 Falconの住んでいるあたりは、まだ自然が残っている。

 ところで、カブトムシも所変われば害虫である。
 北海道では果樹園やスイカ畑を荒らす「有害外来生物」なのだ。
 本州以南では、子どもたちに乱獲される、愛玩昆虫なのに。

 甲虫、夜羽化したばかり四股を踏み 一騎

 一騎という俳号、気に入っています。『図書館戦争』の作者に感謝。

 バタフライがかなりうまく泳げるようになった。平泳ぎも早くなった。今年の夏は頑張って、4泳法制覇をめざすぞ。
 カブトムシの話に、バタフライとは、これまた、なんと虫つながり。

23:51:41 | falcon | comments(0) | TrackBacks