November 28, 2013

木曜が日も夜更かし:欧州で変な名前の政党が現れた件

 木曜日の深夜、いかがお過ごしのことでしょうか。

 アイソン彗星は太陽に最接近してるようですね。これからまた観られるそうで、、、でも、朝の日の出前ですね。ああ、そんな時間に起きられません。それでも、観たい!クリスマスのころも観られると良いですね。大晦日のころも観られるかもしれません。がんばって観ます!

 

 で、今、この本にハマっています。
 というのも、古新聞の書評欄を読んで、興味を持ちました。書評を読まなければ、絶対に読む気が起きなかったでしょう。

 海賊党

 人を食ったような、ふざけたネーミングですね。
 これでもヨーロッパで話題の政党です。
 もともと、スウェーデンで結党された政党ですが、ドイツをはじめ、ヨーロッパ各国の国政選挙、地方議会選挙で議席を獲得しているようです。
 党のマニフェストと言うか、目指しているのは、インターネット情報の自由化と著作権の制限です。これは、図書館情報学にとっても、大変興味深い事柄です。
 しかしながら、執筆者は政治学の先生です。そのため、政治学からのアプローチになっています。肝心の著作権とか、インターネットとかの問題の核心に迫っていないのがもどかしい。けど、おもしろい。

 著作権って、インターネット登場以前の制度なんですね。制度疲労どころか、著作権の考え方にインターネットの仕組みが全くかみ合っていません。無理やり、インターネットの仕組みに著作権の網をかけています。著作権の網をかけても、インターネットの仕組みはスイスイとすり抜けていってしまいます。

 海賊党のネーミングには色々な訳があるそうですが、違法コピー品を意味する海賊版が語源のようです。

 この本の裏ジャケットに注目!
 白水社から出版されているのですが、白水社の社章である鶏が海賊の帽子をかぶっていて、海賊に扮装しています。アナログの本ならではの装丁です。デジタル書籍では味わえない喜びです。

22:20:01 | falcon | comments(0) | TrackBacks

November 23, 2013

暴れん坊図書館長

 全国図書館大会福岡大会に参加してきました。

 大会が開催される前日に福岡へ飛行機で飛んで、大会初日の当日の午前中、北九州市立図書館へ行きました。博多から快速電車で50分位乗ったかなあ、西小倉駅で降りて、バスに乗って行こうとしたら、歩いて行ったほうがいいと忠告され、小倉城の周りを散策しながら、図書館へ向かいました。

 何故、行ったのかって? それは今年公開された映画・実写版『図書館戦争』のロケ地だったからです。さすがに時間が無かったので、激しい攻防戦のロケ地だった美術館まで足を延ばせませんでした。
 図書館からの帰り道、小倉駅へ向かって、森鴎外の旧宅(小倉時代の前半に住んだ家)、森鴎外が住んでいたもう一つの家の跡の石碑を尋ね歩いて、ちょっとした文学散歩になりました。心残りが松本清張の足跡が辿れなかったことです。松本清張文学館が小倉城の堀端にあったのですが、時間が無くて、入館できませんでした。
 小倉での松本清張と言えば、芥川賞受賞作の『或る『小倉日記』伝』ですよね。地味な作品ですが、味わいがあり、あの感動は忘れられません。

 大会初日の基調講演をおこなったロバート・キャンベルさんの話、江戸時代の湯島聖堂と昌平坂学問所の学寮と書庫の話は大変興味深かったです。

 でね、大会2日目の分科会は午前中、図書館情報学教育部会の分科会に参加したのですが、慶応義塾大学名誉教授の高山先生のお話は「ダメな大学教員の生首を切る」とか、御自分が監修した図書館学の教科書で、相いれない考えを書いた執筆者の原稿を抹消したとか、なんだか物騒なお話で、しかも、「教育」というテーマから離れて、図書館情報学の学問をどう大切に守り、これをどのように継承すべきかという「学」の話だったようです。無論、Falconの理解の仕方が悪く、他の聴衆の方で「いや、そんなことはない、立派で御尤もな話だったよ」と思った方も大勢いるでしょうけどね。学問としての図書館情報学の話は学会で話してくれるなら良いのですが、ここは日本図書館協会の教育部会ですからね〜〜〜。
 明星大学の二村先生の図書館司書課程の教科書づくりの話は、共感できたし、学生のことを気遣って、文章の細かい字句までも配慮されていることがヒシヒシと伝わってきました。
 なんだか、午前中の分科会は何とも言えない奇妙な印象でした。

 午後は職員問題の分科会に参加しました。
 いや、こちらは、しみじみさせられたり、ワクワクさせられたり、なるほどとガッテンしたり、これこそが全国図書館大会の分科会だよねえって、感じでした。
 でね、鹿児島県指宿図書館の暴れん坊館長・下吹越さんの話に感動しました。特にファンドレイジング(資金調達)の話です。これこそが分科会のダイゴ味です。

18:55:44 | falcon | comments(0) | TrackBacks

November 01, 2013

せめてツボだけでも信じたい

 読書の秋ですね。

 で、今日は誘われて、イタリア文化会館の図書室と香りの図書館に行ってきました。

 香りの図書館で、今ちょうど読んでいる本の中に書かれているホメオパシーの本を拾い読みしていました。

 それで今、読んでいる本とは

 

 です。『フェルマーの最終定理』『暗号解読』『宇宙創成』の作者サイモン・シンとエツァート・エルンストの著作です。

 アメリカ合衆国初代大統領ワシントンが瀉血で血を抜かれて命を落とした真実が暴かれます。これまで読んだ本でも語られていた壊血病の恐ろしさには言葉を失います。

 この本では鍼、ホメオパシーなど代替医療を科学的な手法で徹底的に批判的究明を行っています。

 ホメオパシーは、この本を読む前から懐疑的でした。薬効成分がなさそうに思える石英、金、すでに漢方やハーブとして知られる植物の組織(なんとコーヒーも含まれている)、さらに明らかに毒であるトリカブトや水銀を含む鉱物・辰砂までも、極めて微量の溶液を使って、病気を治したり、症状を緩和したりする方法だそうです。その薄め方も数万倍、場合によっては百億倍も薄めると効果が出るそうです。百倍くらいなら効果ありそうですが、数万倍も薄めた溶液に効果はなさそうですね。それにホメオパシーのレメディ(処方)には動物のがん組織まで使うそうです。効果はあるかもしれませんが、ここまで来るとおとぎ話の魔女の毒薬のような気がします。「イワシの頭も」ということわざもありますけど、悩ましいですよね。コーヒーはもとよりカフェインやポリフェノールなどの成分があり、古来よりの嗜好品ですから、わざわざホメオパシーとして処方しなくてもという気がします。

 でね、著者らの鍼に対する攻撃が凄いんですよ。これでもか、これでもかと、まるで拷問のように責めるんです。たしかに大手術しているときに麻酔の代わりに鍼を使って痛みを止めたというセンセーショナルな報道番組について、実は麻酔薬を使っていたという疑惑が暴露されたことでは、虚偽の可能性が高いので、仕方ありません。
 それから中国では鍼が万病に効くと信じられているのには無理があるのも御もっともなことです。鍼ですべての病気が治ると豪語するのは余りにも強引です。Falconは鍼の経験はありませんので、何とも言えません。でも、指圧やマッサージでツボを刺激することは効果があると思います。勿論、万病に効くとは思っていません。
 著者らのように、鍼も灸も指圧も、プラセボ効果しかないと決めつけるのは、あんまりですよね。

 私の知り合いで鍼やホメオパシーなどの代替医療に飛びつく人がいます。「そのお医者(施療師)さんは、滅多に診療してくれない、立派な人なのよ」と、たびたび自慢げに話しています。
 私は「それだけに頼りきりになるのは、どうかなあ」と思うのですけど、年配の方なので、にこにこ笑って、「へえ、そうですか」と感心して相槌を打つようにしています。

 Falconなりの結論ですが、人間の免疫力(病気に対する抵抗力)と回復力に優る薬と治療はないということです。薬にしても、マッサージなどの施術にしても、あくまでも免疫力、回復力の補助なんですよね。

 せっかく読みかけたので、この著作、じっくり読みます。

22:47:40 | falcon | comments(0) | TrackBacks

著作ケンサク先生の講演、聞いたぜ!

 図書館総合展のフォーラムで、福井健策先生の講演を聴きました。
 時間をぴったり守って、中身の濃い話をしてくださいました。
 前列の真ん中で、ほとんど、かぶりつきの席でケラケラ笑いながら、福井先生の話術に魅了されました。生の福井先生の話が聞けるなんて、滅多にありません。

 福井せんせーい、私、真正面の席で話を聞いていたんですよ〜、ってブログで叫んでも、福井先生の耳には届かないでしょうね。

 著作権法をしっかりと理解していないと、福井先生の話は「ただ話術が上手だなあ」で留まるでしょう。かといって、Falconも著作権法を詳しく知っているわけではありませんけど。

 ああ、福井先生に、質問したかったのだけど、著作権法31条では国立国会図書館、公共図書館(公立図書館と私立図書館)、大学図書館、一部の専門図書館では、インターネットのWebページを複製して、つまりプリントアウトして利用者に提供できないのですが、改定の見込みはあるんですか?
 国立国会図書館の蔵書をデジタル化して、図書館に配信・提供するって福井先生はおっしゃったんだけど、31条との整合性は取れるのでしょうか?
 その場合、公衆送信権はどうなの?

 たしかに東日本大震災のとき東方地方の大学や図書館に、必要な情報を送信するという超法規的な措置が取られそうなことがあったけど、今後、どうなるんでしょう?

 「ねえねえ、ちょっと、著作権の難しそうな話をここでされても、困るんだよね」

 ああ、そうでした。

 福井先生の話で、強烈に印象に残ったのは著作権は、やはり経済の問題、早い話がお金の問題なんです。

 「ええ、著作権って、引用するときに作者の先生に尊敬の念を持って出典を記すって、教わったけど」

 呆れてしまいますね、いまだに小学校の先生は、著作権は作者への尊敬の念を表すことだと教えているんですね。大変な間違いです。
 著作権はあくまでも財産権です。だからTPP交渉の問題になるんです。

 「子どもたちには、お金の話はむずかしいと思うのですが」

 そんなことありません。理解しようとしない学校の先生にとって難しいだけです。作家や作曲家、作詞家は、文章や音楽を売って生活しているのだから、勝手に泥棒してはいけませんと教えればいいんです。

 「著作者人格権ってありますけど」

 あれは公表権、氏名表示権、同一性保持権の3つの権利で構成されていて、人格とは社会の中における著作者の立場・名誉・名声のことで、「人格者」という時の「尊敬すべき性格」という意味とは全然違います。

 「それって、福井先生の話にあったの?」

 ありませんでした。話をそらすのが悪いんですよ。

 福井先生に会って、もう少しゆっくり話を聞きたいなあ。

 

00:15:20 | falcon | comments(0) | TrackBacks