March 31, 2010

私のしごと館が閉館に

 関西文化学術研究都市(どこかで聞いたことのあるような名称?)にある「私のしごと館」が閉館になってしまう。

 実は、Falconは「私のしごと館」が開館する直前に見学したことがある。随分、立派な建物だなあと感心した。しかも設備は整っているし、広大な敷地の中にある。
 尤も、それより少し前に開館した国立国会図書館関西館の見学が主な目的だったのだけれども、ついでに見学した「私のしごと館」のほうが強い印象に残っている。国立国会図書館関西館は、そのあとも何度か行ったけれども、「私のしごと館」と比較して、見劣りする。

 関西文化学術研究都市は、京都府精華町にあり、京都からも大阪からも奈良からも、ほぼ等距離にあり、地理的には便利そうなところなんだけれども、実際には不便で、風光明媚な土地柄である。開発されてから随分時間が経ったけれども、いまだに牧歌的な場所だ。

 そこで無責任な発言をしたい。
 閉館した「私のしごと館」を国立国会図書館関西館の一部にしたらどうだろうか。これからは電子図書の時代だから、紙の図書が膨大に増えることは無いと思うけど、その膨大な情報を管理する施設も必要だろう。せっかく政府の肝いりで作った施設なのだから、国民のためにも、図書館・情報管理施設として、活用したほうが便利だと思う。
 普天間飛行場の代替施設にはしないほうがいいのは当たり前だけど。

01:26:05 | falcon | comments(0) | TrackBacks

March 30, 2010

もっと若者を大切にしよう

 日本は少子高齢化社会になって、高齢者を大切にするようになった。病気の高齢者を助けるのは、紛れもなく大切なことだ。高齢者に生きがいを与えることも大切なことだと思う。

 しかし、もっと大切なことを忘れていないか。

 20代、30代の若者を育成することを忘れている。

 図書館に限って言えば、高齢者に近い年齢の人が嘱託職員として、高齢者がボランティアとして乗りこんできている。否定するつもりはないが、もっと若い人を司書資格を持った図書館の正職員として採用するべきだと思う。もちろん、司書資格は実に安易に取得できるので、淘汰は必要だけれども、若い人を育成しなければ、この先、日本の図書館行政は破たんしてしまう。

 ときどき議論になるのだけれども、図書館に凄く興味を持っている人が人を押しのけるほどの勢いで、図書館のことに首を突っ込んでくる。興味を持ってくれるのはありがたいのだけれども、後に続く人のことを考えて行動を取ってくれているのだろうかと、ふと思う。

 以前にも、書きこんだけれども、日本でよく革命が起きないのかと不思議に思う。別に暴動を起こせと煽っているのではない。革命は静かに、しかも目覚ましく起こることもある。若者たちが冷遇されすぎている。就活だと言って、説明会へ無駄足を何度も運ばされている。
 日本は20代、30代、40代の働き盛りの人の時間を無駄に使っている。論理は飛躍するが、無駄な時間は偏狭な自己愛人間を作り出してしまう。

 机にしがみついて金をもらっている人よりも、これから働く人を大切にしたい。働き盛りの人に仕事が行き渡る努力が必要だろう。

23:43:33 | falcon | comments(0) | TrackBacks

『ほしのふるまち』が映画化

 もうすぐ春休みが終わってしまいます。
 それにしても、今年の春は真冬のような寒さですね。寒の戻りどころか、寒そのものです。

 さて、3年前、富山県の氷見市へ行ったとき、原秀則著『ほしのふるまち』(小学館、ヤングサンデーコミックス)を4巻まで読みました。今年も氷見市へ行ったのでつづきを読もうと思ったら、都内の書店の店頭にありません。ネット書店で検索すると、品切れになった様子もなく、「在庫あります」の表示です。小学館のページでも入手可能になっています。
 このように手に入らないものほど欲しくなります。
 まだ公開の予定は決まっていないようですが、『ほしのふるまち』は映画化決定しました。

 そこで、先日、紀伊國屋書店で注文して、5巻から7巻まで入手しました。品切れではなく、単に店頭にないだけで、取次店の倉庫にあります。
 青春ドラマの王道ですよね。高校生・大学生に勧めたいマンガです。マンガに偏見をお持ちの方でも、是非読んでみてください。

 「最近のマンガはエロ・グロ・ナンセンス、ヴァイオレンスで、子どもには有害だ」と講演していた評論家のおばさんがいますが、専門家というのは貪欲すぎるくらい謙虚に、物事を見なければなりません。小説にも善し悪しがあるように、漫画にも善し悪しがあります。たしかに週刊雑誌のマンガの中には粗悪な作品が少なからずあります。この点は構造的な問題点があります。漫画家も短期間で仕上げるために、描線を荒く、ストーリーも構想が無いまま、成り行き任せと、どうしても手を抜く。出版社も低コストで収益を上げたい。実力のある漫画家でも、不承不承で引き受けざるを得ない。

 まっ、漫画・コミックにも読み応えのある作品があります。

 「ねえ、最近、マンガばっか読んでるんじゃない?」

 えっ、そんなことありませんよ。

19:45:13 | falcon | comments(0) | TrackBacks

風呂とくれば、うほっ

 手ぬぐいがおまけに付いてくるというので、つられて、Beam Comicsの最新号を買った。

 『テルマエ・ロマエ』のつづきを読んだ。
 うっ、やっぱり、ネタがそっちに振られた。いきなりファルスの登場。まあ仕方ないけどさ。文化人類学・文化史的な面から考えれば良いのさ。

 主人公の若い技師は東北地方の金精信仰の温泉にタイムスリップする。

 金精信仰と関わりがあるのだろうけれども、川崎の金山神社のかなまら祭がもうまもなくだ。今度の日曜日、行って観よう。色々と祈願したいこともあるしね。

 「えっ、何を祈願するのさ!」

 まっ、それは内緒。

11:38:46 | falcon | comments(0) | TrackBacks

March 29, 2010

カノッサの屈辱〜大日本幕府と凸版朝廷〜

 昔、フジテレビの深夜番組はサブカルチャー・教養番組が多かった。タレントのきたろう氏と在野の哲学者・小阪修平氏の『哲学の傲慢』『哲学の小部屋』、白井晃さんとアリとキリギリスの石井正則が案内役の『お厚いのがお好き』は難解な哲学、世界の名著をきわめてわかりやすく解説してくれた。

 かつてのフジの深夜番組の中で傑作だったのが『カノッサの屈辱』である。鬼籍に入った俳優の仲谷昇氏が教授役、牧原俊幸アナウンサーのナレーションで、現代日本の風俗や流行の商品の歴史を世界史や日本史の事件になぞらえて解説するという、ある意味、まじめな受験生には迷惑な番組だった。世界史・日本史の知識が無ければ笑えないイタイ設定だったが、非常に面白かった。

 去年からホットな業界は出版業界である。大日本印刷・TRC・丸善・ジュンク堂・Bookoff連合と凸版印刷・紀伊國屋書店
連合の勢力拡大に、取次店、つまり出版流通業の日販、トーハン、大阪屋の勢力が絡み合い、さらにアマゾンなどのネット販売、電子出版に新たな勢力の参入と、大変面白い状況になっている。

 大日本印刷と丸善とジュンク堂の連携を「善ク年の益(前九年の役)」、講談社・小学館・集英社のBookoff株取得を「講三社の益(後三年の役)」とか、やってくれると面白いのだけれども。

 文学部の学生たちの就職先として希望が多いのが出版社なんだけれども、学生たちはほとんど出版社について知らない。
 一応、教え子たちのことを考えると、隔靴掻痒というか、実に歯がゆい。
 多くの大学の文学部は、先生も学生も、世間ズレしていない。いや、違う。正確にいえば、世間の常識からズレている。そのくせ、鼻っ柱が高いのだ。
 一応、図書館学の科目で出版業界の話をするけれども、学生たちの就職意識の低さに愕然とする。
 文学部の先生たちの浮世離れには、危機感を感じる。

22:16:30 | falcon | comments(0) | TrackBacks