August 19, 2009

宇宙の理論にシビレル

 サイモン・シン著の『宇宙創成』(新潮文庫)を読んでいます。文庫の上巻を読み終えたばかりです。
 ギリシアの哲学者からコペルニクス、ガリレオ、ケプラー、ハーシェル、アインシュタイン、ハッブルと綺羅星のごとき天文学者たちの宇宙の理論が、散らばったジグゾーパズルのピースが組み合わさるように、編まれてゆきます。
 高校生のころ、あんなに難しく感じた特殊相対性理論、一般相対性理論がかなり理解できました。

 天文学者を助けた脇役たちも魅力的です。

 天才と言われた天文学者たちも、誤った考えに拘っていたことも、あますことなく書かれています。

 日本の夏の夜空は、もやがかかったように、星が見えにくいのですが、ついつい見上げてしまいます。

 大著ですが、ページを気にすることなく読み進められます。

 もうすぐ、ガリレオが活躍した国へ出かけます。
 ルネサンス!
 

21:16:47 | falcon | comments(0) | TrackBacks

August 13, 2009

フランス王家の歴史絵巻

 久しぶりです。
 実は8月初旬、宇都宮へ行っていました。
 朝から夕方まで仕事をしながら、昼はプールで泳ぎ、夜は餃子を食べ歩く、品行方正な生活をしていました。



 そんな合間、夢中になって読んでいたのが、佐藤賢一著『カペー朝:フランス王朝史1』(講談社現代新書)です。
 高等学校の世界史でも、フランスの中世史はあまり深く取り上げません。せいぜい第3回十字軍にフィリップ2世が参加した、最後の十字軍にルイ9世が参加した、フィリップ4世が聖職叙任権問題でアナーニに滞在していたボニファキウス(ボニファティウス)8世を憤死させた(アナーニ事件、アナーニの屈辱)くらいしか思い浮かびません。フィリップ2世は、イングランド史上、最悪の国王ジョン王から領地を奪い、そのためジョン王はマグナ・カルタを突き付けられて、議会政治へのきっかけを作ったことも学びますね。

 一口にフランス史と言っても、この著作で強大な国家への道のりは厳しかったことがわかります。まるでローマ帝国への道のりのようです。塩野七生さんだったら、「中世のフランスや神聖ローマ帝国(ドイツ)は、ローマ帝国を手本にしたにすぎない」と断じることでしょう。

 なんといっても魅力は王のあだ名です。順不同ですが、肥満王がいるかと思えば、長身王がいたり、尊厳王、聖王、獅子王、勇敢王、若王、美男王とあだ名だけ見ているだけでも、歴史の奥深さを感じます。廷臣たちも、国王に負けず劣らず、魅力的な人物がいますが、王妃、そして母后となった女性たちが、王たちよりも興味深く感じます。浮気したり(?)、嫁姑戦争を繰り広げたり、政略結婚ではかなく散った人生ばかりではありません。

 フランスを旅するなら、この本を読んでいくことを薦めます。博物館や美術館で工芸品や絵画を鑑賞する時に、きっと印象的になると思います。

 ヴァロア朝、ブルボン朝へ続くフランス王朝史から目が離せません。

18:37:59 | falcon | comments(0) | TrackBacks