January 30, 2008

ボランティアは養成する必要ない!

 これだけは、生涯学習に関する答申に対するコメントで、言っておきたい。
 Falconは、これまでもボランティアに関しては問題にしてきた
 答申の中で、盛んに「ボランティアの養成」ということが書かれている。そもそも、ボランティアは養成する必要があるのか?、改めて問いたい。ボランティアは志願する人であって、しかも図書館、博物館などの生涯学習施設では、既に持っている専門的な知識や技能を生かして、時間と労務を提供する人である。
 やる気と時間があるが、知識や技能に欠ける人に、専門的な知識と技能を修得させて、ただ同然でコキ使うという、いかにもセコイ、イケ好かない行政側の根性(ちなみに「根性」は、このように悪い意味で使うのが正しい)が気に食わない。人件費の削減という、吝嗇で惨めったらしい考えがちらついていやがる。「知識基盤社会」の気高い理想が、聞いて呆れるぜ!人件費削減なら、毎朝、お茶飲んで、新聞読んで、机にしがみついて、昼間はぼーっとして、定時になるとサッサと帰宅する職員を辞めさせたら、どうなんだい!どうせ、あいつら、休日にはゴルフに精出して、仕事のコトなんか、考えてないよ!

 ボランティア全員がそうだと言いたくないが、図書館のボランティアに来る人たちが、結構な高齢者で、書架へ図書の返却をしてもらうと、10分でへたばってしまう。腕が書架の上まで伸びず、足腰が立たなくなって、書架にもたれかかって、座り込んでいる。「あたしたち、図書館で人の案内、そうそう、あのレファレンスができると思っていたのよぉ」「そうね、小さい子への読み聞かせもいいわねぇ」「わたし、本選びがしたかったのぉ」と、悪気なく、清清しく言われてしまうと、言葉が出ない。事務室の入口から、ボランティアの人がジーッと「家政婦は見た」の市原悦子さんみたいに覗いていると、職員は書類に書き込む手も震える。(「あーら、わたくし、いくら役柄でも、そんな品のないことは、いたしませんわぁ」と市原悦子さんに言われそうだけど)

 とにかく、本当にやる気のある人は、人に負けないくらい勉強して、資格を取って、正職員になって欲しい。
 安上がりな「ボランティアの養成」に飛びつかないで欲しい。無論、答申では一言も述べていないけれども、ボランティアから正職員へなんて、シンデレラ・ストーリーは絵空事なんだから。
 行政側も、簡単に見透かされるようなことを公表しないで欲しい。
 中教審の審議委員の人たちは、庶民の代表とは言え、金も名誉もある人で、泥臭いことなんか、わかんねぇだろうな。
 
 厳しい酷評を書くだけが能じゃないよ。

23:15:17 | falcon | comments(0) | TrackBacks

知識基盤社会,Second stage

 文部科学省は、余程、気に入ったのか、1月23日の生涯学習に関する答申でも、「21世紀は知識基盤社会」と言い切っています。これは1月17日の学習指導要領に関する答申と連動しています。
 生涯学習に関する答申で、子どもだけでなく、大人にも「生きる力」、別の言い方をすれば、情報を活用して、知識を形成する力を身につけることを呼びかけています。それが「知の循環型社会」をつくるといっています。
 生涯学習に関する答申は、2月3日までパブリック・コメントを求めています。と言っても、残りわずかな日で、十分な意見を言えませんね。尤も、期間が長いと訳のわからないことを書いてくる輩が多いから、期間を短くしたのでしょう。

 司書、学芸員、社会教育主事の大学の課程での養成に関しても、答申で改善する方向を示しています。司書補の資格要件の緩和なども提案しています。この点は、以前から問題になっていました。

 今、答申に対する意見になりそうなことを書き込んでいました。ブログで、ブツブツ言うことではなかった。
 正々堂々と文部科学省へ伝えます。ゴメンなさい、先を急ぐので失礼します。

21:47:01 | falcon | comments(0) | TrackBacks

台湾の中国語・繁体字の辞典と中国の図書館学

 最近になって、中国語を勉強しようかなと思っています。
 というのも、3年前、香港へ行って、昨年、台湾へ行って、結構、中国語って面白いと思えるようになりました。
 今、日本語で肯定の意味で返事をするとき、「はい」って言いますよね。これは広東語の掛け声の「ハイ」に由来します。よくカンフー映画で「ハイ、ハイ、ハイ」って言っていますけど、あちらが本家本元で、日本語の「はい」は、幕末から明治にかけて、中国商人、広州の商人たちが使っていた「ハイ」を導入したのです。江戸時代まで「そうでござる」とか、長ったらしく、返事しなければならなかったので、迅速に返事をするのに、「ハイ」のほうが便利でした(日本語の「はい
」が広東語の「係(ハイ)」に由来するというのは、あくまでも学説で、その他にも諸説ある。江戸時代「鎖国」といっても、諸外国と没交渉だったわけではなく、中国、朝鮮、琉球、オランダなどと交渉をしていたので、正確には交渉を限定的に行っていたと考えるべきで、幕末以前から、広東語起源の「はい」が使われてきたかもしれない。自然発生的に偶然同じだったという説もある。アラビア語の男性二人称が「アンタ」で、日本語の「あんた(あなた)」と似ているから、アラビア語起源と考えるのは、早計でしょう。しかしながら、ロシア語で「綿」を「ヴァータ」、小銭を「ジェニ」というのは、日本語の影響と考えるのも無理ではないかもしれません。昔、チェコのプラハへ行ったことがありますが、チェコ語では肯定の返事が「アノ」で、否定の返事が「ネ」ですから、日本人が言いよどんで「あのねー」と言えば、「はい、いいえ」と誤解されます。これは事実)。
 さて、問題は台湾、香港、マカオでは繁体字を使っています。中国本土は簡体字を使っていて、日本の中国語辞典は簡体字対応です。台湾の文献を読もうと思っても、とても面倒です。そこで、Falconは漢和辞典を併用することにしました。繁体字対応の中国語辞典はないでしょうか。あったら、教えてください。台湾と中国本土で、用語は違っています。台湾では、インターネットは「網路」です。
 図書館の分類が、台湾、香港、マカオの繁体字使用圏と、中国本土の簡体字使用圏では違います。台湾、香港、マカオでは、頼永祥中国図書分類法を用いています。デューイ十進分類法と似ていますが、体系が違います。一方、中国本土では、中国共産党の考えに基づいた独自の分類法・中国図書館分類法を用いています。日本では、あまり中国の図書館学を注目していませんが、実に面白い、興味深い分野です。今年は北京オリンピックの年、中国の図書館に目を向けたいですね。

03:48:06 | falcon | comments(3) | TrackBacks

知識基盤社会と学校図書館

 思い出しました!
 1999年に批准されて、発表されたユネスコとIFLA(国際図書館連盟)の共同による『学校図書館宣言』の冒頭で、≪today's information and knowledge-based society≫「今日の情報や知識を基盤とする社会」(長倉美恵子先生と堀川照代先生の共訳から)における学校図書館の役割が述べられています。
 今回の答申が、『学校図書館宣言』に準じて考えられたものとは思えませんが、国際的な認識に基づいて「知識基盤社会」を表明したと考えられます。
 これで、学校図書館の役割は、かなり明確になったと思います。

02:43:38 | falcon | comments(0) | TrackBacks

January 29, 2008

知識と情報

 自然科学、特に化学が苦手な人には、こんな喩え話は通じないかもしれませんが、知識と情報は、物質とそれを構成する元素の素粒子と言えるかもしれません。知識は、情報に比べれば、体系化されていて、かなりの総体として存在します。いろいろな元素が結びつきあって物質を構成しているように、知識はいろいろな情報が結びつき合っています。情報は、その知識を構成する元素の素粒子、代表的なものは陽子、中性子、電子です。留まっている情報(陽子、中性子)もあれば、常に動いている情報(電子)もある。
 実際に、コンピュータとネットワーク上の「情報」は、電子の流れと記録された磁気、あるいはCD−ROM、DVD−ROMなどのアルミニウム板の窪み(CD−R、CD−RW、DVD−RAMなどでは、化学変化した物質の状態)、光ファイバーの中を流れる光の信号に現れた表層なのです。それにしても、昔は電話回線の中を流れる音声の信号を受話器で受け取って、音響カプラ−で読み取り、情報処理していたことを考えると、とてつもない進歩を遂げたものです。

02:20:02 | falcon | comments(0) | TrackBacks