October 01, 2007

坂道の町・東京

 東京の山の手には、坂道が多い。普段は上がったり、下ったり、暑いとき、疲れているときはうんざりしてしまう。しかしながら、味わいのある道であることを改めて認識した。江東区、中央区、墨田区、江戸川区などの下町に、坂はほとんど無いが、日本坂道学会副会長・タモリ氏によれば、京浜東北線の西側は坂道だらけなのである。(東側は下町)
 東京地方では金曜日の深夜に放映されている「タモリ倶楽部」は、番組のオープニングとエンディングに女性の下着、それもお尻の映像(一部CG)が流れるが、実はかなり硬派な番組であることを、これまでも「ぶらぶらライブラリアン」で紹介してきた。9月29日(28日の深夜)の「勝どき橋と幻の昭和15年の東京万国博覧会」をめぐるミステリーは、目からうろこがボロボロ落ちる、知的興奮を感じるテーマであった。普通の教養番組で取上げないテーマ、まさに間隙を突く番組であるから、深夜の長寿番組の地位を確立しているのであろう。深夜番組の性格上、エッチな、えげつない内容も少なからずある。それでも、下品になり過ぎないのは、タモリ氏のそこはかとない高い品性と教養による。
 数ヶ月前、「タモリ倶楽部」で東京の坂道を取上げていた。
 『タモリのTOKYO坂道美学入門』には東京の代表的な坂道が紹介されている。地図と写真、タモリ氏による坂道評価、周辺のお店などが紹介されて、坂道を中心にした東京のガイドブックになっている。巻頭のタモリ氏のエッセイは、実に名文で、滋味と含蓄がある。
 麻布のど真ん中には、狸穴(まみあな)坂、狐坂、鼠坂、牛坂など、およそ東京に似つかわしくない名前の坂道がある。江戸情緒たっぷりの坂道もあり、東京生まれのFalconにはゆっくりと由緒を尋ねて歩きたい気分にさせてもらった。
 東京都立中央図書館のある有栖川公園(地下鉄広尾駅から徒歩8分ぐらい)のそばに、南部坂がある。以前、通りかかったときに、(ここが忠臣蔵の「南部坂の雪の別れ」か!)と思ってしまったが、忠臣蔵の南部坂は赤坂のほうにあり、有栖川公園の南部坂は、その南部藩の屋敷が引っ越してきてからのものだった。
 爽やかな秋晴れの下、東京を散歩したくなる。江戸幕府開府から400年あまり、東京は立派な古都である。

 最近出版されたPHP新書の大石学著『坂の町・江戸東京を歩く』も併読オススメです。タモリ氏の著書で写真を楽しみながら、歴史を紐解くと何倍も楽しみ味わえます。

 

 ところで、Falconは普段、東急田園都市線のあざみ野駅から小田急線の新百合ヶ丘駅までバスに乗ります。その途中の停留所に「裏門坂」があります。東京の坂ではありませんが、曰く有り気で、気になっています。おそらく、王禅寺の裏門のことだろうと思っていますが、今度調べてみます。

14:31:55 | falcon | comments(0) | TrackBacks