April 11, 2015

Arthur H.のコンサートに行った

 水曜日、夕方(と言っても、20時30分。夏時間のため東ズムが遅い)近くのスーパーマーケットへ行く途中、コンサートのポスターが目に留まった。Arthur H.アルチュール・アッシュだ。行きたい、何とかしても、ぜひ。何時だろう。ええ、4月8日今夜22時30分MYTHOSで!買い物を済ませて、宿舎へ帰り、場所を確認。住所はタボール公園、地図にはVillejeanのレンヌ第2大学の近くとある。メトロでVillejean駅へ行く。駅の出口から出ると辺りは真っ暗、高層住宅と大学のキャンパスしかない。こんなところにコンサート会場なんてあるのだろうか。
 とにかく地図で示された場所へ行った。(チケットが売り切れていたらどうしよう)と不安な気持ちを胸に秘めて。通りかかった女子学生2人に尋ねてみた。

 「この辺りにはコンサート会場はありませんよ。Bon courage!(頑張ってね)Bonne chance!(幸運を)」

 とりあえずVillejean駅に戻って、たむろする大学生に尋ねた。

 「ああ、フェスティヴァルMYTHOSですね、それ、タボール公園ですよ」

 ええ、やっぱりタボール公園。力が抜けそうになる。開演まであと40分しかない。

 「メトロでサンタンヌ駅まで行けますよ」
 「Merci beaucoup」
 「良い夕べを」
 「君たちもね」

 サンタンヌ駅まで3駅。
 サンタンヌ駅はSaint Anne教会がある旧市街の中心、今、新しい地下鉄の駅の工事中。

 通りすがりの若者にMYTHOSがどこか尋ねる。

 「まっすぐ行った、あの教会のそばですよ」
 「ありがとう」

 やっぱりタボール公園だった。チケットが残っているだろうか。

 「アルチュール・アッシュでしょ?大丈夫、買えますよ」

 ああ、良かった。

 久々の、あのだみ声だ。
 約25年前、彼がファーストアルバムを発表したばかりの来日コンサート(渋谷のクラブクアトロ)へ行った。Cool jazzのピアノの弾き語りは痺れた。エディット・ピアフの持ち歌Padam Padameを彼がアレンジしてジャズ風に歌うと、パリの夜更けの歩道を行く男の姿が思い浮かぶ。
 本国フランスでは不可能と言われた、ロックの要素を取り入れたシャンソンで一世を風靡した伝説の歌手で、父親のジャック・イジュランとのジョイントコンサート(渋谷オーチャードホール)にも行った。ジャック・イジュランとは幼いころに別居したので、不仲説が流れていた。

 往年のセルジュ・ゲインズブールに似てきた。こんなこと言うと、年寄臭いかもしれない。

 大好きな歌手のコンサートを本国で直に聞けるのは、まるで夢のようだ。

 レンヌは学生の町、深夜1時を回っても、安全だ。宿舎まで歩いて帰った。

02:29:13 | falcon | comments(0) | TrackBacks