February 06, 2015

羊をめぐる戦争

今年の初め、『東京スポーツ』の記事で、ひつじ年に中東で戦争が起きるとあった。

 1967年 第三次中東戦争
 1979年 ソ連のアフガン侵攻
 1991年 湾岸戦争
 2003年 イラク戦争(第二次湾岸戦争)
 2015年 ウクライナ戦争・「イスラム国」戦争?

 冷静に考えれば、中東をめぐって争いが絶えないのだから、ひつじ年に限って起きているわけではないけれど、際立った戦闘が12年おきに起きるのには、何かわけがありそうだ。

 この記事に先だって書いたことがあった。

 それは1789年に始まるフランス大革命と「イスラム国」には共通点が多いことだ。フランス大革命が「イスラム国」と決定的に違うのは、人権宣言を掲げたことと宗教、つまりはキリスト教カトリックを排除したことである。この2つが無ければ、フランス大革命はテロ国家の樹立で片づけられてしまったかもしれない。少なくともロベスピエールらが独裁政治を行っていた時代は、陰惨な恐怖政治の時代だった。近代化学の先駆者だったラヴォアジエですら、徴税請負人をしていたことから、断頭台にかけられて命を落とした。ナポレオン1世は古代ローマ帝国の復活をめざしていた。だから、「皇帝」を名乗った。その点、ヒットラーも古代ローマ帝国、神聖ローマ帝国に連なる第3帝国をめざしていたことを考えると、実に意味深い。
 翻って、指導者とされるバグダディはカリフを名乗っている。かつてのヨーロッパの歴史家が名付けているサラセン帝国、ウマイア朝、アッバース朝の権力者であるカリフを名乗っている。
 テロ行為を続ける限り、「イスラム国」に正当性も、正統性もないであろう。早くテロ行為をやめてほしい。

 「羊をめぐる戦争」なんて書いたら、村上春樹さんに怒られるかもしれない。 

12:09:19 | falcon | comments(0) | TrackBacks