April 28, 2015

自民党の教育改革はフランスのコピペ

 自由民主党の教育改革案が話題になっているそうですね。

 「教員免許を国家資格に!」

 確かに教員免許状には「○○○教育委員会」とあり、国または管轄する省庁が発行していません。

 教職大学院とドキュマンタリスト教員を除けば、ほとんどフランスの教員養成と同じ。Copy & Pasteです。
 ニュースでは強調されていませんが「教職大学院の充実と強化」も案にはあります。しかし、法科大学院の痛手はあまりにも大きい。法曹会だけでなく法務省も文部科学省も面目なく、当事者の大学・大学院も、院生たちも深い傷を負っている。法科大学院と教職大学院は質も違うし、関連する省庁が2つと1つで明らかに違う。教職大学院は文部科学省の本領発揮ですから、フランスを手本として充実を図るべきだと思います。日本はヨーロッパと言えば英国しか見ていませんが、ヨーロッパ大陸ではフランスの教職大学院ESPEに注目が集まっています。英国はヨーロッパでも異質の国です。
 しかし、教職大学院は二の足を踏むでしょう。轍を踏むことはしないでしょう。
 フランスのコレージュ(中学)とリセ(高校)・職業リセなどにはCPEという生徒の相談・指導を行う専門の職員がいます。日本のように生徒指導を教科担任たちが持ち回りですることはありません。教科担任は教科を教えることに最大限貫く。

 自民党の案では「ドキュマンタリスト教員」はコピペではなく、「切り取り」ですね。やっと「学校司書」配置に漕ぎ着けたから。それにしても、養成課程もなく、資格も設定されていない職員を置くでは話にならない。国際社会でどうやって説明したらいいのでしょう。誤魔化したくても、誤魔化せないでしょう。いまさら「派遣職員」はダメって言ったって、派遣を認めているようなこと。某・地方公共団体では派遣が進んでしまっています。付帯事項にもないことを声明で発表しても、焼け石に水です。 [more...]

13:33:00 | falcon | comments(0) | TrackBacks

April 26, 2015

市場でアーティチョークを買う

 今日はレンヌRennesのリースLiceの市場でアーティチョークを初めて買いました。1個、1ユーロ(日本円で約130円)です。日本ではいくらでしょうか。

 ガクつきのまま、ゆでて食べました。後で調べたら、ガクは取ってから茹でるそうです。食べる部分がとても少なかった。中華料理の炒め物に合いそうです。こぐれひでこさんなら、もっとさまざまなレシピを考えるでしょうね。

 アーティチョークの葉などにはシナリンという物質が含まれていて、舌の味覚に作用して、水などを甘く感じさせるそうです。また、肝臓や腎臓にも良いらしい。解毒作用もあるらしい。ジャガ毒のソラニンとは大違い!

 先週あたりから、白アスパラガスも市場で並んでいます。チコリ(アンディーヴ)も。春の食材のオンパレード。料理の腕を磨こう!

03:19:38 | falcon | comments(0) | TrackBacks

April 23, 2015

「クジラの飲み水」事件など

 すみません、「クジラの飲み水」事件って、ブログで初めてでしたね。誰かあてのメールに書いたのをブログだと思って勘違いしていました。

 日本の国語教育の不利な点は漢字を教えなければならないことです。これは大きなハンディキャップです。ローマ字圏は多くても30文字程度ですから、楽ですね。綴りが長いのには辟易します。特にドイツ語。
 英語は難しい難しいと言っても、動詞の活用は実に簡単。その点、フランス語をはじめとするヨーロッパの言語の動詞の活用の複雑さ頭を痛めます。フランスのリセ(高校)の教科書にまで、動詞の活用表が載っているので、日本人が苦労するのも無理はないと思いました。フランス語は動詞の活用、書くのは面倒でも、直説法・条件法・接続法と時制で、ほとんどの動詞の発音は3パターンか、4パターンなんです。ところがイタリア語はもうちょっと複雑。
 語学は気長に取り組むしかありません。
 そう教育も、制度もね。

05:35:25 | falcon | comments(0) | TrackBacks

April 22, 2015

秋の日のヴィオロンのためいき

 今日も図書館で教科書を読んでいました。コレージュ第4学年(日本の中学2年生)の「フランス語」の教科書を読んでいました。
 詩の学習でポール・ヴェルレーヌの《秋の歌》が載っています。日本では上田敏や堀口大學の訳でお馴染みの詩です。で、フランスの教科書は、これだけでは終わりません。この詩の影響を受け、一節を取り入れたセルジュ・ゲインズブールの歌も取り上げます。《Je suis venu te dire que je m'en vais》しかも、Youtubeで聞いて比較しようとまで。もちろん、ゲインズブールの写真も略歴も掲載。

 日本の国語の教科書で、こんなこと書いてありましたっけ?

 このブログでも取り上げましたし、facebookでも取り上げて論議を呼んだ「クジラの飲み水」事件。もう10年ぐらい前、東京都(M区)の中学校へ教育実習生の指導で訪れたとき、研究授業が中学1年生の国語の授業で「クジラが真水を飲まずに生きていけるか」というテーマの説明文の授業でした。クジラがオキアミを食べて消化して体内でエネルギーを得て水と二酸化炭素に分解するという内容でした。授業が終わって、職員室で校長と教頭、実習生と話し合いをしました。理科好きのFalconが思わず、「中学1年生の1学期で呼吸と代謝を学びませんね」と発言したら、幸い教頭先生が理科の先生だったので教科書を調べてくれました。当時、中学2年生の理科に「呼吸と代謝」がありました。そこでFalconは「教科書で学べない内容を学校図書館で調べられるといいですね」と発言したら、校長が大変な剣幕で「国語は国語、理科は理科。国語は言葉の意味が分かって、文章が理解できればいいんです。あなたは大学で何を教えているんですか。これだから、大学の先生は困る」と怒鳴り、塩をまかれるような勢いで、校門から叩き出されました。
 日本の教科書は縦割りで、教科の関連がほとんど無く、先生が教える内容が書かれている。子どもたちの知識を広げたくても、教科の範囲に限ってしまう。10年くらい前は総合学習が始まったばかりで、現場が混乱していました。校長の発言も仕方なかったでしょう。不愉快な話はここまで。

 フランスに戻ります。セルジュ・ゲインズブールは、このブログでも取り上げました。異彩を放つ伝説的なフランスの歌手、マルチタレントです。保守的な親たちの間ではゲインズブールには懐疑的です。過激な発言と行動、数々の女性遍歴は亡くなった今でも忘れられていません。
 とはいえ、セルジュ・ゲインズブールの歌には繊細で哀愁漂う名曲も多いんです。日本でもお馴染みシャンソンの名曲ジャック・プレヴェール作《枯葉》にちなんだ、ゲインズブールの《プレヴェールに捧ぐ》は負けず劣らず名曲だと思います。ぜひ、Youtubeで聞いてほしい。彼の伴侶だったジェーン・バーキンもカヴァーしています。

 さて、「秋の日のヴィオロンのためいき。。。」、これ、ノルマンディ上陸作戦の暗号だったんですよね。さすがにここまではフランス語の教科書にはありませんでした。歴史の教科書にはあるでしょう。

23:12:29 | falcon | comments(1) | TrackBacks

April 20, 2015

Charlie Hebdoのえげつなさ

 フランスの日曜日は、辛い。町中、ほとんど閉店。やっているのは数軒のカフェとケバブの店、アラブ人の商店ぐらい、あと映画館。仕方なしに午後は図書館に駆け込む。そこで見たのは。。。

 4月15日号のCharlie Hebdoの第1面を飾るのは、国民戦線の党首マーリヌ・ルペンのイラスト、しかも原始人のような姿で裸体を晒し、「こうして私の父を食った」、お尻から父親の目玉が!「この目玉が真実を見た」
 強硬派で父親のジャン=マリー・ルペンと意見が合わず、決別との噂のある娘のマリーヌ・ルペン。与党・社会党、野党で中道右派の国民運動連合に次ぐ、第三の政党として躍進中の国民戦線は、先の欧州議会選挙では予想を上回り、フランスの政党としては多数派になった。そんな極右政党の動きを黙って見過ごせないのがCharlie Hebdo。Charlie Hebdoはどちらかといえば極左。2面を見ると、父親のルペン氏が丸焼きにされたり、言葉に表せない、おぞましい姿のイラストに。

 ちょっと日本人の感覚・感情では耐えきれない。「いくらなんでも」と叫びたくなる。
 テロは絶対に許せない。人の命を奪うことは絶対にあってはならない。しかし、批判にも品格と節度が。。。

 「国民戦線のルペン氏が大統領になるってさ」
 「そんなバカげた冗談、あり得ねえ!!!ぎゃははぁ」
 って笑い話になるくらい、国民戦線を小馬鹿にしていた。かつて、父親ルペン氏の発言は実現性に乏しく、むしろ滑稽に思えた。
 しかし、娘のマリーヌはソフト路線に変更、一気に力をつけた。その最中の親子喧嘩。左派の論陣が黙っているわけない。

 黒人女性大臣と話題を呼んだクリスチャーヌ・トビラ司法大臣を「木にぶら下がっていろ」と猿の子どもの写真とともにFacebookに掲載したのが国民戦線の選挙候補者だった。
 これには右派、左派ともに人権侵害と激怒。裁判で決着がついたが、当のトビラ司法大臣は涼しい顔、さんざん経験してきているから動じなかった。(パリの町を颯爽と自転車で通勤するトビラ司法大臣、Falconは応援しています、日本の議員にも見習ってほしい。そうそう、テレビ局のアナウンサーにもね)

 日本の穏やかな暮らしとは、かけ離れたフランス。さすがフランス大革命の国と思いたいが、この文化の凄さについていけない。

 ちなみにCharlie Hebdo紙、コレージュとリセの学校図書館にあります。《はだしのゲン》のフランス語訳もあります。

 そういえば、フランソワ・オランド大統領の元々の伴侶、環境大臣のセゴレーヌ・ロワイヤル氏は、かつて「日本の漫画はセックスと暴力ばかり」と非難した。そのロワイヤル氏の支持基盤がポワトゥ=シャラントゥ地域圏で、皮肉というか、この地域圏には国際バンドデシネ(マンガ)センターがあるアングレーム市が含まれる。

04:55:30 | falcon | comments(0) | TrackBacks