September 28, 2014

だまし絵

 フランス・リヨンの壁画のことは書きましたね。
 近日中に写真をアップします。

 渋谷の東急文化村で開催されている『だまし絵II』を見てきました。
 アルチンボルドの『司書』が素晴らしい。

 本に関する物を組み合わせて人物像を描いたものです。

 アルチンボルドの作品には、季節にまつわる花や果物、作物、樹木などを組み合わせて描く人物像の『四季』(ルーブル美術館など所蔵)の連作があります。

 アルチンボルドも興味の尽きない画家ですが、彼が仕えた神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世は実に神秘的な人物です。政治的能力は全くと言っていいほど欠如していたらしいのですが、ヨーロッパの文化史・科学史を語る上で重要な人物です。彼のもとには、天文学者のチコ・ブラーエとケプラーがいました。宮廷に科学者や文人を招いたのです。ここではぐくまれた科学的精神・文化的精神は後の時代を動かしたのです。
 まさに、だまし絵のような世界。


00:10:11 | falcon | comments(0) | TrackBacks