September 27, 2014

生物って何から生まれたのか

 『生命誕生』(講談社学術文庫)を読んでいました。



 「読み始めたら止まらない」との宣伝文句が帯にありますが、読み始めは大陸移動説、プレートテクトニクスの話が続き、エントロピーがどうとか、理系が苦手な人にはアレルギー反応が出てきそうな感じでした。Falconは理系は得意なほうなので、気になりませんでしたけど。

 生物って、海の中でアミノ酸などの有機物質が化合を繰り返し、細胞が生まれて、やがて多細胞生物が生まれて、生殖が始まり、植物や動物が生まれたと思いこんでいました。

 『妖怪人間ベム』のアニメ版のオープニングを憶えていますか。神秘的なシーンでしたよね。実は、当時の最新の理論に基づく、生命の起源でした。オパーリンやミラーの実験による有機物質の生成から、生物へと進化するという学説です。アミノ酸などが溶け込んだ海で生物が生まれたというわけです。

 『生命誕生』は、その学説を覆します。生命の起源は地中にあるというのです。マントル対流によって地底に海底が引き込まれると、そこで複雑な有機物質が生成されて、それが生命の起源になったというのです。この説に関しては、ほかにも類似の学説を提唱する本があります。

 海や大気の中では物質の合成よりも分解が進むというのです。なるほど、首肯します。

 アミノ酸等の有機物質は、宇宙から隕石がもたらしたという説があります。
 それは、隕石に含まれる鉄などの金属物質が触媒となって、大気中の窒素、水などが反応してできたものらしいのです。宇宙空間にアミノ酸そのものが漂っているわけではなさそうです。

 ただし、『生命誕生』では、地中で生まれた有機物質から、細胞が生まれるまでの過程があいまいです。細胞ができるには細胞膜ができなければならない。脂質が必要です。じゃあ、DNA、RNAって、どうやって生まれたのか。

 疑問が尽きません。こうして探究のための読書が続くのです。

 気になって、『天体衝突』『図解・プレートテクトニクス入門』(講談社ブルーバックス)も読んでいます。





 秋の夜長、眠れなくなりそう。



23:43:32 | falcon | comments(0) | TrackBacks