July 01, 2014

IFLAリヨン大会の参加者へ:パリの図書館めぐり

 今年の8月、フランスのリヨンで国際図書館連盟IFLA大会が開催されます。日本からリヨンまでの直行便は無いので、パリに降り立ってから、リヨンに向かう人が多いでしょう。無論、IFLA大会が目的でなく、フランスを訪れる人も少なくないと思います。
 せっかくフランスへ行くのに、図書館を見学したいと思うでしょう。何回もフランスへ行って、図書館見学したっていう人は除外して、まだ図書館見学したことが無いという人に、お勧め見学コースを用意しました。時間がありましたら、見学の参考にしてください。

 まずは、なんと言ってもフランス国立図書館ミッテラン新館を中心に特徴的な図書館を巡るコースです。所要時間は、およそ3〜5時間くらい。
 早速、セーヌの川岸に立つフランス国立図書館をめざしましょう。地下鉄の駅は6号線のケ・ド・ラ・ガールが便利です。メトロの出口からセーヌ河畔を散歩してフランス国立図書館の威容を眺めて見ましょう。そのほか、地下鉄14号線とRER・C線(郊外鉄道網と接続する。パリ市内は地下駅でメトロと乗り換え可能)のその名もズバリ! フランソワ・ミッテラン図書館駅から行くのも便利です。フランス国立図書館は一日券3.5ユーロの入館料が必要です。有料にするかについてはさまざまな論議がありましたが、無料とするとホームレスが多く訪れるかもしれないとの懸念から、有料になりました。
 さて国立図書館に入館しても、使う資料が無ければ、図書館の良さを実感できません。視聴覚資料のコーナーは結構楽しめます。やはり、フランス語の資料が読めないと、設備を見ただけで、終わりです。それでも、図書館内で資料紹介の展覧会が開かれることもありますので、必見の価値ありです。

 その次に訪れたいのは、アラブ世界研究所の図書館です。フランス国立図書館からセーヌ河畔を西へ向かうと、つまりノートル・ダム寺院のほうへ向かうと、辿りつきます。開館時間に注意してください。せっかく行っても開館していない場合があります。ここは無料です。ここの見所は閲覧室が3層に分かれていて、中層から入館できますが、上層と下層へ行くにはらせんの通路を通ります。階段ではなく、ぐるぐると通路を歩いて上下の移動をします。それからアラブ世界研究所の建物がカメラの絞りのような装置で覆われていて、直射日光を調節しながら採光します。これは行ってみないと、その光景の凄さはわかりません。資料の多くは、アラビア語の資料です。だから、読めないと、つまらない!アラビア語で検索できるOPAC(コンピュータ目録)は、そばで見ていると面白いかも。

 さて、その次は自然史博物館に併設された図書館です。アラブ世界研究所からフランス国立図書館のほうへもどります。植物園の入口があるので中へ入ってください。奥に自然史博物館があるので、そこへ行ってください。案内板があるのでわかるでしょう。1階が一般利用者用で、2階が研究者用です。2階の研究者用の図書館は登録が必要ですが、1階は誰もが無料で利用できます。子ども向けの生きものの本や図鑑があるので、フランス語がわからなくとも十分楽しめます。植物園の近くにはパリ最大のイスラムのモスクがありますので、それもお見逃しなく。ここのカフェでミント茶とアラブのお菓子をいただくのがおしゃれなパリの過ごし方です。植物園の入口の近くにはビュフォン図書館があります。パリ市の図書館です。

 ここからはオーステリッツ駅から地下鉄5号線でレピュブリック駅へ行き、乗り換えて11号線で2つ目のランビュトオ駅へ向かいます。駅の出口を出て、国立図書館の分館であるポンピドゥ・センターの中にある情報公開図書館BPIへ行きましょう。ここは観光客でも気軽に見学できる図書館です。ここに来ると、ああパリに来たなあと実感できます。入館の際に荷物チェックがあるので、覚悟してください。そんなに厳しくないので、ビクビクしないでね。とても広い。インターネット利用は登録が必要です。貸出はしていませんが、膨大な資料の閲覧ができます。国立図書館よりも気楽です。それにしてもフラ語がわからないとね、、、国立近代美術館が併設されているので、ピカソやレジェ、カンデンスキーの作品をお見のがしなく。

 ポンピドゥ・センターのあたりは地元ではボブールと呼ばれ、実はゲイが多い。ここからマレー地区へ行く途中に、ゲイの人向けのショップが集中する界隈があります。パリの「新宿2丁目」です。それらしい人を見かけても、気づかない振りをして、やり過ごしましょう。パリ市の前市長がゲイだったので、ゲイに寛容なんです。フランスって、なにかと異論炸裂ですが、結局は寛容の精神・博愛の心なんですよね。

 地下鉄11号線のランビュトオ駅から一駅先の市庁舎前駅で1号線に乗り換えて、パレロワイヤル・ルーブル美術館駅へ行き、そこから歩いて、パレロワイヤルの中庭を通り抜けるとフランス国立図書館リシュリュー館です。ここが国立図書館の旧館です。メダル博物館や資料の展示を行うコーナーがあります。かつての閲覧室はドア越しにのぞけます。たしか昨年の8月、火災が起きて、屋根が崩落したそうです。
 この図書館はフランスへ留学して学ぶ研究者にとっては憧れでした。ここの図書館で学べることだけでも幸福感に浸れました。それは陶酔感と言っても良いでしょう。
 国立図書館リシュリュー館へは、ランビュトオ駅から市庁舎前駅とは反対方向の、一駅先のアール・エ・メイエール駅へ行き、そこで3号線でオペラ座駅方面へ乗り換えてブールス駅へ行き、そこで降りて、国立図書館リシュリュー館の裏から向かうのも意外と近くてお薦めのアクセスです。

 読んだだけでも行った気分になれましたか。

 まだまだ、お薦めのコースがありますから紹介しますね。

 「8月に学校図書館が見学したいのですけど」

 ああ、Non!
 残念ながら、7月8月はバカンスで学校は夏休みで見学したくてもできません。関係者と知り合いで、相談すれば、見学できますけどね。

 それからIFLAリヨン大会の直前の8月15日は聖母被昇天祭の祝日です。図書館が閉館しているかもしれません。見学に訪れるときは確認を。


20:57:57 | falcon | comments(0) | TrackBacks