April 09, 2014

ダークと呼ばないで

 小保方晴子氏とSTAP細胞に関して、なりゆきに興味津津である。論文作成に関しては、いくら未熟だからと言っても、アホな大学生以下の失態である。残念ながら、どう言い訳しても、理研の調査委員会が十分な処置を取らなかったしても、本人の過失であることは認めなければならないと思う。

 しかしながら、本当にSTAP細胞が存在するならば、小保方氏の功績を男性学者たちがもぎ取って我が物にしようとしている構図が見えてくる。

 これと似たような話が過去にあった。

 今では誰もが知っている遺伝子が含まれる化学物質DNA(デオキシリボ核酸)の二重らせん構造を解明したのは、ワトソンとクリック、ウィルキンスだと言われているが、実は彼らに先駆けて、ロザリンド・フランクリンという女性科学者がDNAの結晶をX線解析していた。ワトソンらがノーベル賞を受賞したときには、ロザリンドは既にこの世にはなく、彼女の業績はかき消されてしまった。その上、指導に当たっていたウィルキンスと対立してたために、気難しい性格と噂されて、「ダーク・レディー」と呼ばれた。
 問題はロザリンドの解析結果をどうやってウィルキンスからワトソンとクリックに伝わったのかであるが、すでに歴史の闇に閉ざされている。クリックらは自らの功績としている。

 ロザリンドの悲劇は、特異な例ではない。

 あの宇宙創成、ビッグバンの根拠となった宇宙に散らばった銀河が遠ざかっているという説を発表したエドウィン・ハッブルの功績は、女性の研究者の発見と、ハッブルの研究を支援した女性たちの緻密な作業によるものだった。

 また遡れば、ケプラーの法則も、先輩の天文学者チコ・ブラーエの観測結果が無ければ生まれなかった。

 まっ、かく言うFalconも「ダーク砂川」とさげすまれ、

 「えっ、誰もダーク砂川って、言っていないけど。リアル砂川っていうのは聞いたけどね」

 ああ、そうだった。「図書館戦争」の砂川一騎ねえ。

 図書館の自由に関する宣言では「資料を守ります」が、「作品と作者は守りません」。

 「あんたも、しつこいねえー。ダーク砂川さん!」


00:52:07 | falcon | comments(0) | TrackBacks