February 24, 2014

嗚呼、面白かった!『辞書になった男』

 読みかけの本が気になって、読み始めたら徹夜してしまいました。ソチ五輪の閉会式なんか、そっちのけでね。

 「ねえ、ねえ、そのダジャレ使わなかったはずよ」

 ああ、そうでした。

 昭和47年1月9日に、国語辞典の歴史に残る重大な事件が起こりました。その事件のきっかけをつくった真犯人は誰か。この本の後半は推理小説です。見坊先生も山田忠雄先生も鬼籍に入られましたが、まだまだ御家族の方々、関係者の方々がいらっしゃる中、大胆な推理に著者は挑みます。

 実は、何人か関係者の方を存じ上げています。
 かといって、著者のように取材したわけでないので、重大な事柄を知っているわけではありませんが、ある先生が「同じ三省堂から出版されている国語辞典でも、見坊先生と山田先生のお考えは違うんだ」と語気を強めておっしゃったことが気になっていたのです。この本で解決しました。

 最後は見坊先生と山田先生の、たがいにいたわりあう気持ちが伝わってくる、味わい深い内容です。

 私が愛用している国語辞典は『新潮国語辞典』です。『新潮国語辞典』は、旧い用例が載っているので、この言葉がいつ頃から使われていたかがわかります。旧い用例を詳しく調べるには小学館の『日本国語大辞典』を使いますが、手ごろな大きさで使いやすいのは『新潮国語辞典』です。語釈もまあまあ妥当で頼りになります。

 そういえば、『新明解国語辞典』第3版第5刷を持っていました。

 辞書は数冊そろえておかないと、比較できません。

23:46:11 | falcon | comments(0) | TrackBacks