October 05, 2014

フランスの代理教員が不足している県

 昨日の朝、NHKBSのワールドニュース(溜め録画でなく、最新のニュース!)を見ていたら、フランスでは代理教員が不足しているという。特にセーヌ・サンドニ県では小学校の代理教員が不足していて困っているという。しかも、わずか数日で辞めてしまうらしい。児童たちの気持ちをまとめる気にもなれないくらいクラスが荒れているらしい。
 セーヌ・サンドニ県と言えば、パリの北東部で移民系の労働者が多く住んでいる地域である。犯罪の多発地域だ。

 ロワッシー空港(シャルル・ド・ゴール空港のこと)からRERのB線でパリ市内に向かうとき、必ずこの地域を通る。そして、北駅に着く。Falconはパリらしいと感じているけど、普通の旅行者だったら、敬遠するだろうなあ。

 海外県を含めてフランス全土で24,000人近くも代理教員が不足しているらしい。

 日本では、文系の大学生ならば、教職課程を取りたがる。日本の教員の給与は世界的に見ても高水準である。それにエリートが就く仕事であるし、外聞も悪くない。一目おかれる職種である。

 ニュースでは記者が代理教員に応募して、簡単な数学の問題を解いただけで、高校の教員は無理だけど、中学校の代理教員として採用すると通告されたことが紹介された。結局、この記者は代理教員の道は選ばなかったらしいけど。

 要するに大学を卒業していれば、誰でも代理教員になれるっていうこと。続ける気があれば、だけどね。

 ニュースでは触れていないけど、フランスの教員の給与は非常に低い。日本の教員の3分の2程度である。日本の中堅クラスの教員が年収700万円くらいなら、フランスの中堅クラスの教員は日本円に換算して年収500万円くらいである。日本に比べ、所得税も、付加価値税(日本の消費税に相当)も高い。けして、フランスの生活が楽とは言えない。ただし食料品は滅茶苦茶、安い。日本のリンゴ1個の値段で、少なくともリンゴ3個くらいは買える。それにしても日本人が考えているフランス人の生活とは著しくかけ離れている。

 そのうえ児童生徒が従順でなく、時には暴力をふるうとなれば、学校の教員なんて、やっていられない。

 フランスだけでなく、移民が山ほど押し寄せてくるヨーロッパ社会は深刻な問題を抱えている。

 優雅な旅行番組で憧れるのは勝手だけど、現実は想像もつかないほど厳しい。

01:08:03 | falcon | comments(0) | TrackBacks