September 29, 2014

フランスのリセ(高校)に代理出席ロボットが!

 実はフランスのニュース番組を溜め録画しています。

 でね、驚いたことに、フランスのローヌ・アルプ地方のリセ(高等学校のこと。科学技術科と言っていたから、もしかすると専門の高校かもしれない)で、試験的に欠席した生徒の代わりに、授業に出席するロボットが設置されたそうです。

 「えっ、どういうこと」

 つまり、欠席した生徒へ授業風景を撮影して、勿論、先生の話や周りの生徒たちの声もマイクロフォンで拾って、伝えるのです。

 「欠席しても、授業のことを自宅のパソコンなどに伝えてくれるの?」

 そういうことですね。

 もし、これが日本の大学に導入されたら、ロボットばかりが出席して、スマートフォンやパソコンへ授業風景が録画されて好きなときに勉強できる環境が整いますね。

 「学生からすれば、すごく楽だけどね」

 学校教育、大学教育の崩壊につながると思います。

 なんでもIT化して良いのでしょうか。

 限度がありますよね。それこそ「心の教育」が欠如します。

 体育や音楽、図画図工、美術、技術、家庭科の授業はロボットに代行できません。

 日本の馬鹿な大学先生や文部科学省の愚かな役人が飛びつかないと良いんだけどね。責任のある立場の人は良識を持ってもらいたいと思います。

 フランスのロボット君には申し訳ないけど、有り難くない話題でした。

01:03:00 | falcon | comments(0) | TrackBacks

September 28, 2014

だまし絵

 フランス・リヨンの壁画のことは書きましたね。
 近日中に写真をアップします。

 渋谷の東急文化村で開催されている『だまし絵II』を見てきました。
 アルチンボルドの『司書』が素晴らしい。

 本に関する物を組み合わせて人物像を描いたものです。

 アルチンボルドの作品には、季節にまつわる花や果物、作物、樹木などを組み合わせて描く人物像の『四季』(ルーブル美術館など所蔵)の連作があります。

 アルチンボルドも興味の尽きない画家ですが、彼が仕えた神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世は実に神秘的な人物です。政治的能力は全くと言っていいほど欠如していたらしいのですが、ヨーロッパの文化史・科学史を語る上で重要な人物です。彼のもとには、天文学者のチコ・ブラーエとケプラーがいました。宮廷に科学者や文人を招いたのです。ここではぐくまれた科学的精神・文化的精神は後の時代を動かしたのです。
 まさに、だまし絵のような世界。


00:10:11 | falcon | comments(0) | TrackBacks

September 27, 2014

生物って何から生まれたのか

 『生命誕生』(講談社学術文庫)を読んでいました。



 「読み始めたら止まらない」との宣伝文句が帯にありますが、読み始めは大陸移動説、プレートテクトニクスの話が続き、エントロピーがどうとか、理系が苦手な人にはアレルギー反応が出てきそうな感じでした。Falconは理系は得意なほうなので、気になりませんでしたけど。

 生物って、海の中でアミノ酸などの有機物質が化合を繰り返し、細胞が生まれて、やがて多細胞生物が生まれて、生殖が始まり、植物や動物が生まれたと思いこんでいました。

 『妖怪人間ベム』のアニメ版のオープニングを憶えていますか。神秘的なシーンでしたよね。実は、当時の最新の理論に基づく、生命の起源でした。オパーリンやミラーの実験による有機物質の生成から、生物へと進化するという学説です。アミノ酸などが溶け込んだ海で生物が生まれたというわけです。

 『生命誕生』は、その学説を覆します。生命の起源は地中にあるというのです。マントル対流によって地底に海底が引き込まれると、そこで複雑な有機物質が生成されて、それが生命の起源になったというのです。この説に関しては、ほかにも類似の学説を提唱する本があります。

 海や大気の中では物質の合成よりも分解が進むというのです。なるほど、首肯します。

 アミノ酸等の有機物質は、宇宙から隕石がもたらしたという説があります。
 それは、隕石に含まれる鉄などの金属物質が触媒となって、大気中の窒素、水などが反応してできたものらしいのです。宇宙空間にアミノ酸そのものが漂っているわけではなさそうです。

 ただし、『生命誕生』では、地中で生まれた有機物質から、細胞が生まれるまでの過程があいまいです。細胞ができるには細胞膜ができなければならない。脂質が必要です。じゃあ、DNA、RNAって、どうやって生まれたのか。

 疑問が尽きません。こうして探究のための読書が続くのです。

 気になって、『天体衝突』『図解・プレートテクトニクス入門』(講談社ブルーバックス)も読んでいます。





 秋の夜長、眠れなくなりそう。



23:43:32 | falcon | comments(0) | TrackBacks

September 23, 2014

フランスのファーストレディ

 あのお、ちょっと気になること。

 今年の初め、フランスのオランド大統領が別の女性と密会したことが暴露されて、事実婚を解消したヴァレリー・トリールヴァイレールさんですが、オランド大統領の前の伴侶ロワイヤルさんとの事実婚解消のあと、しばらくファースト・レディとしての役目を果たしていました。

 で、今回はフランスのファースト・レディについて調査した件。

 「ねえ、それって、『月曜から夜ふかし』のパックリでしょ」

 まあ、細かいこと気にしないって!

 フランス国民がなんで大統領の伴侶のことを口うるさく話題にするのか、気になっていました。だって、フランス人って、個人のプライヴァシーを尊重しますよね。いくら大統領が公人とはいえ、伴侶のことまで口出すなんて、エゲツナイですよね。

 その理由と真相がわかりました。

 フランス大統領の伴侶であるファースト・レディには、活動費として国庫、つまりは国民の血税が財源となっている国の公費から支出されています。選挙で選ばれたわけでもないのに、政治活動ができますし、大統領府であるエリゼ宮で5人のスタッフに囲まれていたそうです。
 単なる政治家の妻、伴侶ではなく、自らも「政治活動」に参画できるのです。閣僚や議員でもないのに。
 フランス国民は知らないはずもなく、選挙のときは大統領の伴侶が誰かは知っていて、投票するのでしょう。織り込み済みなのですね。
 歴史的にもルイ15世の愛妾ポンパドゥール夫人が政治に口を挟んだことはよく知られています。要するに、王朝時代からの伝統なんですね。

 フランスのファースト・レディはただものではないことだけは、知っておきましょう。

 ということは、同じ社会党のロワイヤルさんと事実婚を解消したことは、それなりの理由があったと深読みしたくなりますね。

 中央アフリカの混乱、イスラム国への空爆、失業率の上げどまり、長引く不況など、もう手詰まり状態のオランド政権。とはいえ、夏、リヨンに行ったけど、なんだか楽しそうで活気があったけどなあ。新聞やテレビのニュースで伝えられることと実感は違うなあと思います。

 今、あの男が注目の的。ニコラ・サルコジ前大統領。日本の江戸時代の政治家に例えれば、サルコジ前大統領は田沼意次で、オランド大統領は松平定信っていうところかな。フランス国民は清き白河よりも、元の田沼が恋しいのかもしれません。

00:35:17 | falcon | comments(0) | TrackBacks

ヤドカリの殻闘争

 「MOMOプロジェクト:動物行動の映像データベース」っていうの知っていますか。

 「えっ、何、それ?」

 動物行動学という分野の学術データベースなんですけど、ピントが合っていなかったり、発色が悪くて、白黒動画みたいで、地味ミーーな映像ですが、かなり面白い。

 学術研究用や教育用として閲覧するのは著作権法に抵触しませんから、問題ありません。個人として楽しむ分にも問題ありません。ただし、引用するときには作成者の名前を紹介してほしいというので、紹介します。今福道夫さん(と、馴れ馴れしく呼んでいますが、当人のことは知りません)が投稿した映像で、「ヤドカリの殻闘争」という映像があります。今福道夫、動物行動の映像データベース(データ番号:momo130810pf04b)

 窮屈そうな貝殻に入っている大きなヤドカリが、分不相応な大きな貝殻に入っている小さなヤドカリをつまみだし、自分がその大きな貝殻に収まって。。。。。。という、人間社会でも起きそうなエピソード。

 大「おい、どけよ」
 小「やだよ」
 大「こうなりゃ、実力行使だ」
 小「え、もうやめてくれよ」
 大「お前に、この小さい貝殻くれてやる」
 小「ん、もう、仕方ないなあ」
 大「この大きな貝殻は俺様のものだ、お前なんか、あっちいけ!」
 小「ああぁぁァァ」

 って、科白が聞こえてきそうなドラマです。

 ちなみに「けんか」という項目にあります。

 大きい殻を乗っ取られた小さいヤドカリに同情します。

00:00:03 | falcon | comments(0) | TrackBacks