July 07, 2013

下品な自分と鷺草の花

 先日、以前から気になっていた九品仏へ行ってきました。
 数日前、テレビの加山雄三さんのお散歩番組でも取り上げられた場所です。

 東急大井町線の九品仏駅はとても小さな駅で、ホームが短いために1車両のドアが開きません。
 改札が踏切と踏切に挟まれています。つまり、線路と線路に挟まれています。
 大井町線は東急田園都市線の溝の口駅から大井町駅を結ぶ、乗降客の多い路線でありながら、マイナーな駅が多い路線です。

 目指す寺院は改札を出て左にあります。参道がすぐ見えました。
 浄真寺(旧字体で書く場合があります)です。

 世田谷区の住宅地に囲まれた寺院ですが、寺域はとても広く、しかも鮮やかな緑に覆われて、ここが東京とは思えないたたずまいです。もっと早く来ればよかったと思いました。

 急に何故ここへ来ようと思ったのか、ですが、NHKの番組で『籔内佐斗司流 仏像拝観手引 日本列島巡礼編』を見たことがきっかけです。そう、阿弥陀様に会いたくなりました。

 浄真寺の創建は江戸時代ですから、けして古くはありません。奈良、京都、鎌倉の寺院と比べれば、時代が浅いのですが、その趣は勝るとも劣りません。本堂のほかに、境内には3つの阿弥陀堂が点在して、さながら極楽浄土をめぐるような錯覚すら感じます。これは嘘や修辞ではありません。訪れた人なら納得できるでしょう。梅雨時だったためか、草木の緑が眩しいくらいに映えていました。

 さて、境内には本堂のほかに3つの阿弥陀堂があります。それぞれ上品三体、中品三体、下品三体の合計九体の阿弥陀様が安置されています。上品上生(じょうぼんじょうしょう)から下品下生(げぼんげしょう)までの阿弥陀様が、それぞれの御堂に三体づつ安置されています。それぞれ印の結び方(印相)、わかりやすく言えば手の形が違います。中品の阿弥陀様は手を胸の高さまで挙げて、印を結びますので、まるで手遊びをしているような仕草に見えます。優美で、何とはなしに可愛らしい。
 阿弥陀様の頭髪は目が覚める様な青に染まっています。お経に書かれたとおりになっているそうです。
 Falconは普段は信仰心もなく罪深き者です。下品の阿弥陀様に救いを求めました。

 本堂には、巨大な釈迦如来仏と、さらに一体の阿弥陀様が安置されています。
 少し小ぶりな阿弥陀様ですが、頭髪が伸びて伸びて、アフロヘアのようです。というのも衆生を救うために頭髪を整えるのを怠ったからだそうです。人間味のある阿弥陀様を見ていると、下品な私も救われるような気がします。

 もうすぐ、世田谷区の花、鷺草(サギソウ)の花が咲くころです。ここ浄真寺でも鷺草の観賞会が開かれるようです。
 鷺草の花が咲くころに、また訪れてみようと思います。

13:48:33 | falcon | comments(0) | TrackBacks