April 12, 2013

とうとう実写版『図書館戦争』だなあ

 あえて火種を作るつもりはありませんけど、『図書館戦争』の設定って、矛盾していますよね。

 作者は小説を売って稼ぐために「作品」を守るつもりで、「図書館の自由に関する宣言」を持ち出して、『図書館戦争』の巻頭に掲げています。
 でも、「図書館の自由に関する宣言」で、図書館は「資料」「利用者(の秘密・プライバシー)」を守ると述べているのであって、作家にとって商品として売ってほしい「作品」や「作家としてのプライド」までは守るとは書いていません。
 ですから、図書館は有川浩さんに限らず、すべての作家、著作者からすれば、大切な、稼ぎの道具である「作品」を、文学的な評価もせずに、「タダ貸し」する場所であり、書店で売れば収入になる著作権料(かつては印税とも言っていた。定価の約10パーセント)を公権力の下に帳消しにする機関です。現に、『図書館戦争』を古本屋で見つけて買いましたと書き込んだ読者に、有川さんが不快の意を表明したことは有名です。古本屋も、図書館同様、わずかな著作権料を奪っている存在です。つまり、図書館は、作家にすれば、「良化隊」以上に、さらにいえば「検閲」よりも恐ろしい存在です。

 戦争ごっこや恋愛ごっこは、はっきり言って、どうでもいい。
 図書館で恋の芽生えるときも、愛をはぐくむときもあっても良いでしょう。『スリー・サム』って映画で、大学図書館の閲覧室でゲイの男の子に猛烈にアタックする女の子のエピソードがありました。裸でもなく、キス・シーンでもないのに、エロチックで、凄く切なかったなあ。ゲイの男の子は女の子の気持ちが凄くよくわかるのに、恋愛の対象にできない。観客はヤキモキする。前にも書いたけど、この映画、変な三角関係なんです。女子大生Aはゲイの大学生Bが好き、ゲイの大学生Bはマッチョな大学生C(ボールドイン兄弟の末弟が演じている)が好き、マッチョな大学生Cは女子大生Aが好きという輪のような三角関係で、

 「ちょっと待った、それって、大学図書館の利用者の恋愛関係ですよね、図書館職員の恋愛ごっこと違うでしょ。Falconさんは図書館職員が仕事そっちのけで恋愛ごっこ、戦争ごっこをしているのに腹立てていたんでは?」

 はあ、まあ、そうでして。

 ということで、本当の意味での「図書館戦争」は、これからだなあと思います。

 「でもさ、日本はそれどころじゃないんだよね、北朝鮮の弾道ミサイルや普天間基地返還問題、領土問題、憲法改正問題があって、自衛隊、防衛省も映画『図書館戦争』に協力して浮かれている暇なんてないよね。防災対策だってあるでしょ」

 それもそのとおりですね。
 防災対策は国土交通省の問題でして。

 「自分で言いだしておいて、突っ込まないでよ」

 明日の準備がありますから、この辺で。

01:28:41 | falcon | comments(0) | TrackBacks