May 13, 2012

パリにワカメちゃんが!



 紀○○屋のサイトでゴキブリの本を検索していたら、なぜかワカメちゃんの本がが検索された。

 この本、すごく面白い。

 外国で暮らした人のエッセイ、評論は、掃いて捨てるほどある。旅行記は吐きそうなくらい読める。1980年代までは一般庶民が海外旅行ができなかったので、妙に自慢げな、スノビストな話が多かったし、読むほうも憧れがあったので、気障だなあ、嫌みだなあと思っても、楽しく読めた。1990年代以降は海外旅行は一般庶民もイケるようになったので、共感を呼ぶ、仲間内の打ち明け話のような話が増えた。
 それでも、フランス、パリとなると、ブランド品の服を着こんで買い物をしようという話がうんざりするほど出てくる。

 こぐれひでこさんのエッセイなどを読めば、わかると思うけど、フランス・パリは、実に庶民的な街だ。それに汚い街だ。

 1980年代まではフランス人ジャーナリストに「日本は排気ガスがひどくて、世界でこんなに汚い国はない」と酷評された。それを聞いた日本の知識人、教養人たちは卑屈な微笑みを浮かべていた。
 ところが、フランス・パリに行けば、これほど汚い街は無いと確信する。フランス人はゴミを平気で道端に捨てる。日本人も、特に都市に暮らす人は、テロ対策でごみ箱が少ないので、道端にゴミを捨てる人は少なくない(伊勢神宮の外宮へ行ったのだが、平気で紙ごみを捨てるおばさんを見た!)。日本人の道徳心は地に落ちたが、フランス人はそれ以上!タバコの吸い殻も、当たり前のように道に捨てる。何といっても、このブログで何度も書いたが、犬の糞は歩道がまだら模様になるくらい落ちている。もちろん、パリ市内は犬の糞を処理しないと罰金を取られるのだが、お構いなしに落ちてる。

 そう言いながら、Falconはフランスが好きでたまらない。アンビバレントな思いだ。

 そんな思いを逆なでして、慰めてくれるのが、この本だ。

 ああ、そうだった。この本の著者、長谷川たかこさんは、『サザエさん』の著者・長谷川町子さんの姪御さんである。それにワカメちゃんのモデルである。
 伯母さんのユーモアのセンス、批判精神はDNAに潜んでいるらしい。読みながら、大声を出して笑いこけた。モヤモヤした気分がスカッと吹き飛んだ。

 ちなみに、著者の長谷川たかこさんはパリでチャバネゴキブリを見かけたようだが、実は日本で頻繁に見られるクロゴキブリをパリのホテルで見たことがある。クロゴキブリは温帯の大都市には必ずいる。

 「ねえ〜、Falconさんのカバンの中にいたんじゃないの」

 えっ、私が日本からゴキブリをパリまで連れて行ったって言うんですか。冗談も休み休み言ってくださいよ。そんなわけありません。

23:08:56 | falcon | comments(0) | TrackBacks