July 20, 2011

イタコもメディア

 イタコと言えば、

 「橋幸夫!」

 たしかに潮来の伊太郎ですね。『潮来笠』、なつかしのメロディです。
 そうじゃなくて、

 「『潮来花嫁さん』、ぎっちら、ぎっちら。。。」

 それも、ちょっと。。。。。。

 「なんだって、言うのよ?!」

 青森県の恐山の大祭でイタコの口寄せが行われているようです。
 今年は東日本大震災で多くの人が亡くなりました。
 「死者との交信」が真実かどうかは別の問題として、大切な人を亡くした人たちにとって、イタコの口寄せは心の癒しになるのだそうです。現代心理学に基づくカウンセリングよりも効果が期待されるようです。死んだ人に会いたいという気持ちは誰にでもありますよね。霊魂の存在を信じるか、どうかは別にしても。

 でね、メディア(MEDIA)は、MEDIUMの複数形です。メディアには「霊媒師」という意味もあります。疑るなら、英和辞典で調べてみてください。最後のところに「霊媒、巫女」という意味が出てきます。
 もともと、ラテン語のMEDIUMは、英語にも、その意味が残っているように「中間」という意味があります。焼肉の焼き方でMEDIUMといえば、ほどほどに焼けている意味ですよね。衣服のMサイズはミディアムサイズで中間です。
 それが18世紀ごろのイギリスで神や霊魂の世界と人間の世界の仲立ちをする人たちのことを、ミディアム、ミーディア(メディア)と呼んだのです。私たちが普段使っているメディアとは、情報の世界と人間の世界をつないでくれる存在です。

 ということは、イタコもメディアです。

 ちなみに、イタコの語源は、イチでしょう。かつて勝新太郎さんが演じた「座頭一」、小泉八雲の『怪談』に登場する琵琶法師の「耳なし芳一」、中国地方の霊媒師の「市子」も視力は無いけれども、過去や霊魂の世界、超現実的な世界を見ることのできる人です。おそらく、沖縄の「ユタ」さんも同じ語源でしょう。

 Falconは、メディアをこうして説明しています。

 ちなみに恐山と呼んでいますが、寺院名は恐山菩提寺で、元々は天台宗でしたが、現在は禅宗の曹洞宗のお寺です。ちょっと意外ですね。イタコの霊場と、座禅。結びつきませんよね。


22:54:36 | falcon | comments(0) | TrackBacks