ぶらぶらライブラリアン

煙草を吸う仕草

　『クリスマス・ストーリー』に出演していたカトリーヌ・ドゥヌーヴはフランスで最も人気のある女優だ。
　カトリーヌ・ドゥヌーヴの煙草を吸うしぐさが実に様になっていると思う。日本で煙草を吸う女性は少なくないけれど、見苦しいほど貧相だ。しかめっ面したり、腰をかがめたり、のけぞったりして、姿勢がよろしくない。女のくせに煙草を吸うなんてという世間の目をはねのけようとして、煙草を吸うものだから、自然に見えない。
　ドゥヌーヴと比べるつもりはないが、Falconのお祖母さん、母方の祖母だけれども、Falconが中学生のころに亡くなったが、亡くなる数日前まで煙草を吸っていた。それが実に様になっていた。あまりに衰弱して、急に亡くなったので、死亡の原因がわからなかったが、肺がんだったようだ。若いころ、諏訪のほうで女工をして、結核を患ったらしい。白内障でほとんど目が見えなかった。なので、世間の目を気にすることもなかったのだろう。

　禁煙条例や規制が厳しくなって、タバコの紫煙をくゆらす姿をあまり見かけなくなった。
　おかげで道に吸殻が落ちていなくなった。これは良いことだ。

　Falconは煙草を吸わない。別に煙草が吸えないわけではない。高校を卒業するころ、ふざけ半分に何回か吸ったことがある。お祖母さんもスモーカーだったが、父と叔父がヘビー・スモーカーだったので、タバコの煙は全く気にならない。
　自分自身は、あまり性にあわなかったことと、図書館職員になることを考えていたので、煙草を吸う習慣が身につかなかった。結果的には良かったと思っている。