April 11, 2011

観能日記:藤栄、秀句傘、百万、須磨源氏

 4月10日、宝生能楽堂で月並能を鑑賞した。
 客の入りは2月のときより少なかった。あの時は野村萬斎さんが出演していたからだろうか、込んでいた。

 能「藤栄」は、ワキの旅の僧が北条時頼で、贅沢三昧で暮らしている地頭の芦屋藤栄を懲らしめる、水戸黄門漫遊記のような筋立てでわかりやすかった。藤栄の甥の月若を演じた子方(子役)が可愛らしかった
 狂言「秀句傘」は間抜けな田舎大名が新参者に褒美として小袖や刀を与えてしまうお話で、大名の間抜けさが笑いとともに哀れを誘う。
 能「百万」は、旅の僧が嵯峨野の清涼寺で面白い舞を観たいと土地の者に言うと、下手な念仏を唱えれば、異議を唱えて女芸人が舞踊ると言う。土地の者が下手な念仏を唱える。やがて雑踏の中から、女が現れて、笹を持って舞い踊る。やがて、旅の僧が連れていた子方が、この百万と言う女芸人の生き別れた子どもであることがわかる。子に生き別れた母親を物狂と言い、生き別れの親子が出会う演目を物狂ものと言う。「物狂」って、言葉を最初知ったときにはドキッとして偏見を持っていた。意味がわかってくると、能の重要な演目であると納得した。

 最後は能「須磨源氏」だった。謡と、面を付けたシテの科白がわかりにくく、やはり予習が必要だなあと思った。謡がわかったら、光源氏の舞もっと楽しめたかもしれない。

 で、今年の春から始めた能楽鑑賞もすっかり趣味として定着してきた。

 「マシンエクササイズ、筋トレは続けているの?」

 もちろん、続けている。週2回、トレーニング・ルームへ行っている。

 能楽鑑賞に筋トレ、どこかで聞いたような気がする。

 三島由紀夫だ! う〜ん、趣味とはいえ、あまり近づきたくないけど。
 

23:58:59 | falcon | comments(0) | TrackBacks