February 20, 2011

傲慢と上品

 むかし、Falconが英会話学校に通っていたころ、発音が上手にできなくて、「上品(エレガント)な」と言ったつもりが、「傲慢な」と聞こえるとBritishの先生に何度も注意された。
 「上品な」はelegantで、「傲慢な」はarrogantで、綴りの後半は同じだけれど、前半はまるっきり違う。それでも、Falconが発音すると「傲慢な」としか聞こえないと指摘された。

 ジェイン・オースティンの名作に『高慢と偏見』があり、最近ではこれをパロディー?化した作品に『高慢と偏見とゾンビ』がある。



 「Falconさんって、ゾンビ映画、大好きなんだよね」
 「ええ、大好きです。でも、若い学者を餌食にするゾンビ学会は嫌いです」
 「何、言っているの?」

 あっ、そんなことはどうでもいいことだ。『高慢と偏見とゾンビ』は翻訳されたけど、ペーパーバックで読もうと思って買ってある。

 傲慢ではなくて、上品、エレガントな話である。

 「けっ、このブログ、上品なこと無いじゃないか。なんだよ、今更」

 『エレガントな問題解決:柔軟な発想を引き出す発想と技』というタイトルを、本屋の店頭で見かけたとき、思わず手が伸びて買ってしまった。結構、値の張る本である。



 「悩み事を解決します」という安っぽい人生相談の本や、いかにも思わせぶりで、実現不可能な方法を提示する自己啓発本、お節介な教訓めいたビジネス書は読まないことにしているのだが、この本だけは何故か惹かれた。
 で、内容はというと、なんと数学、しかもアメリカの大学で数学を学ぶ学生向けに書かれた本の翻訳である。
 難解かなと思うかもしれないが、これが滅法、面白い。高校の数学の知識があれば十分、中学の数学程度でも十分理解できる。深夜番組『たけしのコマ大数学科』のファンなら、飛びつきたくなる内容である。

 戸籍調査人の問題も面白いけど、「連続する4つの自然数の積が平方数でないことを示せ」という問題は、驚くべき解法が示される。中学生でも解こうと思えば、解ける問題である。日本の高校1年ならば、確実に解ける。ちなみに平方数とは、ある数を2乗した数である。1×2×3×4=24で、5の2乗の25から1を引いた数になる。このあたりは、まだまだ序の口。

 睡眠剤のつもりが、明け方まで読んでしまう。知らぬ間に、メモ用紙に鉛筆で数式を書いてしまう。
 受験生にお勧めしても良いかな?

02:06:18 | falcon | comments(0) | TrackBacks