February 14, 2011

沖縄と能

 意外と知られていませんが、沖縄の文化と能は関係があります。

 琉球舞踊、琉舞には、宮廷舞踊をルーツに持つ古典舞踊、民俗芸能が元になった雑踊りと民俗舞踊、近現代に創作された創作舞踊があります。

 古典舞踊には天川(アマカー)や四つ竹(ヨツダケ)がありますが、ゆったりとした動きが特徴です。足の動きの基本は擦り足ですが、これは能の足運びが元となっています。

 今回、能を見て、気が付いたのですが、ワキの旅の僧が被る角帽子(すんぼうし、すみぼうし)は、エイサーで太鼓を叩く人が被る帽子と形がよく似ています。
 エイサーというと、沖縄へ行った人ならば、あちこちで演じているので、観たことがあると思います。宴会の最後にみんなで踊るカチャーシー(阿波踊りのようだという人もいるけど、手の動きと足の動きは相当違う)と同じくらい馴染み深い踊りで、太鼓を叩いて勇壮な踊りで、Falconも憧れて、身につけたいと思っていました。
 エイサーは沖縄県中部で盆の時期に行う、先祖の魂を送る踊りです。つまり、本土の盆踊りで、Falconが住んでいた宜野湾市では、旧暦の盆送り、ウークイの夜にあちらこちらから太鼓の音が響き、それはそれは厳かなものでした。
 いまでは盆の時期とは関係なく、昼間に、激しいビートの音楽とともに演じられることが多いのですが、宗教・民俗と関係の深い民俗芸能です。

 エイサーの演者たちは、紫、朱などの色とりどりの被り物をしています。紫や朱が多いのは邪気を払う意味が込められています。時代劇で、病を患った貴人が紫の鉢巻きをしていますね。あれも邪気を払う意味があるからです。
 能の脇の僧が被る角帽子はくすんだ茶色です。

 このように能は沖縄の文化に大きな影響を与えています。室町幕府や江戸幕府が当時の中国、元や明、清と交易して、沖縄・琉球王朝とも交流があったからです。
 調べていくと、まだまだ発見できそうです。

00:55:48 | falcon | comments(0) | TrackBacks