December 27, 2011

フランス語で呟く俳句、レンヌ

 フランスのブルターニュ地方の中心都市レンヌRennesの教育委員会では、俳句をツィートして投稿するコンクールを行っている。

 2011年12月17日から2012年2月17日まで専用サイトから投稿して、3月にはグランプリがレンヌのLes champs libres(ブルターニュ博物館と市立図書館などの複合施設)で発表される。

 フランス語で俳句なんて作れるのかって?
 それができる。
 フランスは詩の国で、何かというと詩、つまりは韻文を作る。
 しかも音節の数を計算して、脚韻を整える。
 フランスのシャンソン(歌謡曲)は現在でも戒律のように詩の原則を守っている。日本の歌謡曲のほとんどが詩の約束を忘れてしまったかのようだ。
 それだけにフランス人の俳句に対する関心は高い。

 実は数年前、アルザス地方の中心都市ストラスブールへ行って、ケルベール高校の学校図書館を訪問した。そのとき、たまたま作家のエルヴェ・ル・テリエの訪問授業が行われていた。日本ではあまり知られていない作家で、翻訳された作品は1冊だけだ。ドキュマンタリスト教員の先生が「今日はパリから素晴らしい作家が来校しているのよ!」と誇らしげに語っていた。
 学校図書館で行われている授業を見学していたら、ル・テリエがいきなりFalconの顔を見て、「日本ではHaikuという短い詩を作っていますよね」と尋ねてきた。そこで「古池や蛙飛び込む水の音」と、とっさに言ったら、彼が嬉しそうに微笑んだ。
 そのうちに生徒たちに俳句を作ることを勧めた。生徒たちは戸惑いながらも俳句を作って次から次へと発表する。早口だったり、おどおどしていて、聞き取ることはできなかったが、フランス語で俳句を作っていることは理解できた。

 ケルベール高校は、行政官僚を輩出するグランゼコールのENAに進学する生徒の多い超エリート校で、中学も併設していた。学校図書館で、俳句を作る授業が行われていたのは、驚きというよりも、驚愕だった。

 ところで、HAIKUと書いてもフランス人はきちんと発音できない。AIはエと発音されるので、Iの上にトレマという点を2つ付ける。すると、AIはつづけてエとは発音されず、AとIを別々に発音されるので、アイとなる。フランス語のクリスマスNoelでもeのうえにトレマを付ける。それに加えて、フランス人は発音しないHがある。Iにトレマを付けても、彼らは「アイク」としか発音できない。まあ、フランス人も英語を学んでいるので、Hの音は発音できるようになっているけどね。

03:00:58 | falcon | comments(0) | TrackBacks