December 28, 2011

フランス愛してるぜ〜

『パリ愛してるぜ〜』

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 夕方、散歩の途中、書店で見つけてしまった。

 思わず、「そお、そお、そうなっだよ、そのとおり」と叫びたくなるようなエピソード満載の漫画だ。
 もちろん、パリに行ったことのない人には、この感触は味わえない。観光旅行でバスと美術館、観光地だけしかいなかった人にも、パリの肌触りを伝えられない。

 パリはおしゃれな街と思われているけど、実は非常に庶民的な街で、東京よりもダサい。このダサい雰囲気が郷愁を誘う。
 東京のほうが余程洗練されている。

 パリの地下鉄、メトロには独特の臭いがあり、嫌いな人もいるかもしれないが、「くさや」にハマる人もいるように、この独特の臭いがパリの香りのように感じられる。

 多くの日本人が憧れる国、フランス、そして、花の都、パリ。
 そこには何か、ある。

01:20:23 | falcon | comments(0) | TrackBacks

December 27, 2011

フランス語で呟く俳句、レンヌ

 フランスのブルターニュ地方の中心都市レンヌRennesの教育委員会では、俳句をツィートして投稿するコンクールを行っている。

 2011年12月17日から2012年2月17日まで専用サイトから投稿して、3月にはグランプリがレンヌのLes champs libres(ブルターニュ博物館と市立図書館などの複合施設)で発表される。

 フランス語で俳句なんて作れるのかって?
 それができる。
 フランスは詩の国で、何かというと詩、つまりは韻文を作る。
 しかも音節の数を計算して、脚韻を整える。
 フランスのシャンソン(歌謡曲)は現在でも戒律のように詩の原則を守っている。日本の歌謡曲のほとんどが詩の約束を忘れてしまったかのようだ。
 それだけにフランス人の俳句に対する関心は高い。

 実は数年前、アルザス地方の中心都市ストラスブールへ行って、ケルベール高校の学校図書館を訪問した。そのとき、たまたま作家のエルヴェ・ル・テリエの訪問授業が行われていた。日本ではあまり知られていない作家で、翻訳された作品は1冊だけだ。ドキュマンタリスト教員の先生が「今日はパリから素晴らしい作家が来校しているのよ!」と誇らしげに語っていた。
 学校図書館で行われている授業を見学していたら、ル・テリエがいきなりFalconの顔を見て、「日本ではHaikuという短い詩を作っていますよね」と尋ねてきた。そこで「古池や蛙飛び込む水の音」と、とっさに言ったら、彼が嬉しそうに微笑んだ。
 そのうちに生徒たちに俳句を作ることを勧めた。生徒たちは戸惑いながらも俳句を作って次から次へと発表する。早口だったり、おどおどしていて、聞き取ることはできなかったが、フランス語で俳句を作っていることは理解できた。

 ケルベール高校は、行政官僚を輩出するグランゼコールのENAに進学する生徒の多い超エリート校で、中学も併設していた。学校図書館で、俳句を作る授業が行われていたのは、驚きというよりも、驚愕だった。

 ところで、HAIKUと書いてもフランス人はきちんと発音できない。AIはエと発音されるので、Iの上にトレマという点を2つ付ける。すると、AIはつづけてエとは発音されず、AとIを別々に発音されるので、アイとなる。フランス語のクリスマスNoelでもeのうえにトレマを付ける。それに加えて、フランス人は発音しないHがある。Iにトレマを付けても、彼らは「アイク」としか発音できない。まあ、フランス人も英語を学んでいるので、Hの音は発音できるようになっているけどね。

03:00:58 | falcon | comments(0) | TrackBacks

December 25, 2011

言い忘れたこと

 『奇跡を起こすスローリーディング』なんですけど、途中で読むのやめようかと思ったんです。
 著者は「速読よりもスローリーディング」と言っておきながら、文体が速読向きのハウツー本になっているんです。

 でね、最後まで読んでしまったのは、著者がスポーツが嫌いで、野球ができなくて、いじめられて、ルールも知らないと告白しているのに、とても共感してしまったからです。野球ができなくて、辛い思いをしたのは、Falconだけじゃなかったんだと、つい目頭が熱くなってしまって、読みこんじゃったって訳です。

 速読でも、遅読でも、とにかく本を読むことは大切だと思います。落ち着いて考えれば、現代社会は文字が読めないと何にもできません。リテラシーというのは、無理やり身につけるものではなく、ごく当たり前に身につけるものです。
 増田ユリアさんの著作を読めば、文字が読めない、言葉がわからないということは、その社会で存在できないことに等しいことがわかります。

 新年はフランスで過ごします。
 フランスでは、フランス語がわからないと何にもできません。
 これまでサバイバル・フランス語、フラングリッシュで何とか切り抜けてきましたが、本気で頑張らなければなりません。

13:35:27 | falcon | comments(0) | TrackBacks

December 20, 2011

カルト・ドゥ・セジュール



 ラシッド・タハという歌手を知っていますか?
 アルジェリア系移民の2世・3世のグループ「カルト・ドゥ・セジュール(滞在許可証)」でデビューして、後にソロ歌手として活動している人です。
 正確にはライ・ミュージックの歌手ではなく、本人もライ・ミュージックとは一線を引いていますが、ハレドやフォーデルとコンサートで大成功を収めたこともあって、ライ・ミュージックとは関係が深い。

 でね、この本、滞在許可証を持たない移民の子どもたちがフランスで必死になって生きていることを取材したものです。

 Falconは1月にフランスの学校図書館を見学に行くので、興味があってジャケット買いしたのですが、予想以上に面白かったし、本当に考えさせられました。花の都パリ、芸術の都パリと憧れる人も多いと思いますが、現実は厳しい。フランスへ命からがらやってきた少年、青年たちの息遣いが肌身に感じられます。

 残念ながら、フランスの学校図書館については、ほとんど言及がなく、がっかりした半面、お株を取られてしまわないかとハラハラしていました。研究者同士の縄張り意識が強く、この間も、「そのテーマ、私が!研究していますよ」って、論文を送られてきました。

 フランス語を通訳してもらって取材した著者の筆力には脱帽しました。

 

20:49:04 | falcon | comments(0) | TrackBacks

December 19, 2011

もうひとつ、ついでに指摘しておこう

 文部科学省が大学の新設、学部の新設を認めている、歯止めをかけずに黙認しているのは、文部官僚、つまりはキャリア組の「天下り」先を確保するためである。
 ●●法人への天下りは今でも頻繁にあるが、一応、規制されている。それに対して、大学は利権が絡まないと考えられていて、事実上、「天下り」にはなっていない。だから、堂々と事務職員や教員に天下っている官僚がいる。
 大学に天下り官僚がやってくれば、入学定員が割れてしまっても、「お取りつぶし」は免れる。正確に言えば、免れる可能性は高い。文部科学省のお役人は、かつての先輩が先生になった大学をつぶすわけにいかないし、自分たちの天下り先が無くなってしまっては一大事である。入学定員が割れて、募集定員停止になりそうになっても、4年制大学は、在籍している学生がいる以上、少なくとも4年間の延命措置が図られる。その間に、努力して、入学定員を確保すれば、復活する可能性がある。
 そして、文部科学省に限らず、他の省庁のキャリア組役人の「転職先」、事実上、「天下り先」の確保のためには、大学を増やすしかない。
 それに学校の校長だった人が経歴を生かして、教育学部の教員になっている。事実、退職間際の校長先生が、物欲しげにすり寄ってきたことがある。Falconはこうした泥臭いことが嫌いな、潔癖人間なので、素知らぬ顔して適当にあしらった。
 少子化なのに、一向に減らない大学と学部。そこには、実に巧妙な「からくり」がある。

 みのさん、国家公務員の悪口を言う前に、このからくりを説明してくしてくれないかなあ。

01:20:30 | falcon | comments(0) | TrackBacks