January 21, 2011

チンプンカンブンな私

 カミングアウトします。

 「えー、やっぱり!、そうだと思っていたのよ」

 えっ、何を勘違いしているのですか?
 Falconは、実のところ、漢文が苦手です。

 「なあ〜んだ、そんなことか!」

 日本の古典文学を大学で学んでいながら、漢文は全くできませんでした。大学時代、必修科目で漢文学概説や漢文学演習を一応学んだのですが、たまたま「仏の〜先生」と異名をとる先生ばかりに当たったので、適当に勉強して、そこそこの成績を取って、卒業してしまいました。
 今、大学の教員をしていて、自分の学生時代を振り返ると、恥ずかしくて、みっともない成績を取っていたなあと思い、穴があったら入りたい気持ちでいっぱいです。

 「えっ、穴?」

 変な意味じゃありません。諺ですよ。そういえば、タイガーマスクの伊達直人が属していたのは、「虎の穴」でしたね。「虎穴に入らずんば虎児を得ず」という故事成語がありましたね。
 それはともかく、入学試験のシーズンのこの時期、急に漢文を学び直したくなりました。
 そこで、加地伸行著『漢文法基礎:本当にわかる漢文入門』(講談社学術文庫)を読んでいます。



 とても分厚い本ですが、予備校で発行されていた雑誌に連載された文章に加筆されたものなので、意外に読みやすく、厚さは気になりません。しかしながら、ブログのように冗漫な表現、ダジャレ、読者を愚弄するような語句(たとえば、「バーカ」)などがあり、手っ取り早く漢文について学びたい人には向きませんが、漢文を読むコツが丁寧に解説されています。大学、予備校、受験生に対するピリリとした皮肉、批判があって、ニヤニヤしながら読んでいます。

 ところで、来年は大正100年ですね。
 大正天皇と言えば、「病弱な天皇」と思われて、その人柄や才覚についてはあまり知られていません。以前、ブログに書き込んだかもしれませんが、大正天皇は歴代天皇の中では漢詩をたくさん残した天皇であらせられます。平安時代以降、多くの天皇は和歌を御製されて、漢詩を残したのは平安時代初期の嵯峨天皇が顕著とされています。明治天皇も昭和天皇も和歌を多くのこされています。明治神宮のおみくじは明治天皇と昭憲皇太后の御製の和歌ですよね。
 大正天皇の人柄については原武史著『大正天皇』(朝日選書)に書かれています。大正天皇の漢詩については石川忠久著『漢詩人大正天皇:その風雅の心』(大修館書店)に詳しく書かれています。厳格そのものだった明治天皇に比べ、大正天皇は気さくで庶民的であらせられたようでして、歴史にifが無いのは承知していますが、もし大正天皇が壮健で長寿であらせられていれば、激動の歴史も変わっていたかもしれません。
 大正時代が100年以上も前と思うと、いろいろと考えさせられます。

01:29:33 | falcon | comments(0) | TrackBacks