August 28, 2010

『セクシィ古文』



 電車の中で読んでいると、冷やー汗が出ます。
 Falconも一応、大人ですから、この程度のことで驚きませんが、人前で黙読するのはちょっと恥ずかしいです。イラストが、この本の肝というか、売りなんですけど、もし誰かに読んでいるところをのぞかれたら恥ずかしいですよ。

 平安時代、鎌倉時代、室町時代を中心に性にまつわる古文が紹介されています。
 「えー、こんな古文があったのおぉぉ」と驚きます。
 でもね、学校ではとても教えてもらえません。
 あの源氏物語でも、一番面白い場面は教科書で取り上げられません。源氏物語にはいわゆる濡れ場というか、男女の交情はほとんど描かれません。柏木と女三宮のところはかなり緊迫したばめんですけどね。

 江戸文学がほとんど取り上げられないのですが、江戸まで手を広げたら、紹介しきれないからなんでしょうね。江戸文学=エロ文学と言ってもいいくらい、男女の恋中を描いた作品はきりがありません。勿論、男と男の世界もバッチリあります。
 あの『南総里見八犬伝』のパロディで、犬の八房と伏姫の生々しい場面を描く作品だってあります。昔、坂本九さんの名ナレーションでわくわくして見たNHK『新八犬伝』のイメージが崩れます。

 いやそんなことはどうでもいい。

 このブログでも何度か取り上げた後深草院二条の『問はず語り』も取り上げられています。
 ああ、残念!
 後深草院二条という女性は久我家の出身なのですが、『セクシィ古文』で久我の読み仮名が「くが」となっていました。正しくは「こが」です。
 久我家は名門の一つで、後深草院二条の遠縁には日本の曹洞宗の開祖である道元がいます。女優の久我美子(芸名くが・よしこ、旧姓の本名こが・はるこ)さんも久我家の出身です。久我家の分家には岩倉家があり、久我家とは直接、血がつながっているわけではありませんが、岩倉具視、その子孫の俳優の加山雄三さんもゆかり深い人物になります。

 ところで、鼻濁音を正しく発音できますか?
 「が」は語中、語尾にあると、鼻にかかった、鼻から息を抜く、そうフランス語の鼻母音を出す調子で発音します。そうすると滑らかで穏やかな日本語になります。この「が」を鼻から息を抜かないと、きつい、聞きづらい日本語になります。
 最近の若者は鼻濁音がきれいに発音できません。
 ドラマに出ている若い俳優さんの「が」が耳障りです。
 ですから「久我家」の「が」も鼻濁音です。
 鼻濁音が発音できると、セクシーな魅力を発揮します。

 話がまとまったところで、御あとがよろしいようで。

22:12:12 | falcon | comments(0) | TrackBacks

怪奇!ヘビ男

 朝起きると、寝床に茶色い薄皮のようなものが散らばっている。まるで脱皮したヘビの皮のようだ。

 沖縄で日焼けしてから2週間以上経った。そろそろ皮がむけてきている。

 ああ、まるでヘビ男。
 ムズ痒いので、寝床でくねくねしているうちに皮がむけてきたらしい。

 『耳なし芳一』のように全身に般若心経を墨で書いていたらどうだったろう。日焼けした後、墨の部分が白ぬきになって、意外とカッコイイかもしれない。

 あの話、子どものころ、読んだとき、蘇った平家の怨霊が怖かったけれども、今、読み返すと御経を全身に書かれる芳一の姿がセクシーに感じられる。耽美の極致としか思えない。

 そういえば、芥川龍之介の『地獄変』もクライマックスで、絵師が娘の焼け死ぬ様子を描く場面が強烈だけれども、絵師が弟子に鎖をかけていたぶる場面もなかなかイケている。

19:17:25 | falcon | comments(0) | TrackBacks