July 05, 2010

『桜んぼの実る頃』と『アカシアの雨がやむとき』

 今年はまだサクランボが売られている。いつもだと6月中旬、太宰治を偲ぶ桜桃忌のころに売られている。

 シャンソンの定番の名曲というと数々あるけれども、その中でも、Falconがフランス語をNHKラジオで学び始めたころ、歌詞を覚えたのが『桜んぼの実る頃』だった。多くの歌手が歌っているけれども、イヴ・モンタンが歌う『桜んぼが実る頃』が好きだ。失恋の深い痛手を負った青年の気持ちが切々と伝わってくる。
 若い世代ならば、宮崎駿監督の『紅の豚』で加藤登紀子さんが歌う『桜んぼの実る頃』を聞いたことがあると思う。
 この歌は、いろいろと伝説のようなエピソードが伝わっている。その中でも、良く言われるのが1871年普仏戦争の終結とパリ・コミューンの挫折感を失恋の思いに掛け合わせたという話だ。たまたま時代の出来事と歌詞と曲の雰囲気がぴったり当てはまるからなのだろう。

 東京地方では花の盛りを過ぎているが、北海道ではおそらくちょうど見ごろを迎えるアカシアといえば、西田佐知子さんが歌った『アカシアの雨が止むとき』が思い出される。と、訳知り顔で言ったが、Falconが生まれる前にヒットした歌だ。
 『アカシアの雨が止むとき』の歌詞のアカシアは、実はニセアカシアという別の種類のものらしい。本来のアカシアはネムノキ科の仲間で、フサアカシアはフランス語のミモザのことらしい。
 美輪明宏さんは出演していたNHK番組で、この歌の歌詞を絶賛していた。今から思えば、実にゆったりとした歌で、歌詞の言葉が丁寧に歌われる。暗いイメージの曲だが、昭和の歌謡曲の名曲の一つといってもいい。
 この歌も、60年安保闘争の挫折感を歌った歌といわれる。歌詞では立ち去った恋人を思い、死んでゆく女性の秘めた気持ちを歌っている。
 西田佐知子さんは、司会者でお馴染みの関口宏氏の妻である。ジェロさんが歌う前の菊正宗のCMソングを歌っていた。最近は、テレビなどに出てこないが、以前、出演した番組を見たときは美人だった。

 関東地方は梅雨本番、これから激しい集中豪雨がやってくるだろう。懐かしのメロディーだけれども、改めてじっくり聞いてみると味わいがある。

02:31:36 | falcon | comments(0) | TrackBacks