June 15, 2010

ニューヨークの私立保育園には図書館が?!

 先週の『松嶋×町山 未公開映画を観るtv』では、"Nursery University"を取り上げていました。

 今や、ニューヨークはベビーブームで乳幼児の数が増えて、保育園のお受験ブームが到来しているそうです。
 無償で入れる公立保育園(3歳児から入園できる)もあるようですが、低所得者の子供が多く、スラングを覚えてしまうなど、子どもに高学歴を望む親たちは避けていて、高い授業料を払ってでも、難関の私立保育園へ入れるそうです。

 このドキュメンタリー映画では、ニューヨークの5つの典型的な地域に住む5家族が、お受験バトルに巻き込まれていく姿を描いています。見ごたえがあります。東京以外の地域で見られない人は残念ですね。

 驚くのは難関私立保育園の設備のすごさです。視聴覚資料などを扱うメディアセンター、体育館はもちろん、図書館があります。

 日本でも保育園・幼稚園に図書館を併設しているところはありますが、この映画を見る限り、規模が違います。(日本の学校教育法では幼稚園は学校です。保育園は福祉施設なので学校ではありません。日本の学校図書館法では、幼稚園は学校図書館を設置する学校ではありません)

 フランスの公立の幼稚園(Ecole maternelle 保育学校と訳す場合がある。Ecoleの最初のEにはアクサン・テギュが付きます)でも、図書館を併設しているところはあります。

 日本で学校図書館は学校図書館法で義務づけられているから、各学校におかれていますが、義務だから渋々(reluctantly)設置しているようなものです。ほとんどの学校の教員は学校図書館が別に重要だと思っていません。教科書だけで教室で教えていれば良いと思っている。日本の教員は教科書の内容を教えるだけで精一杯なんです。だから、教員ではない、パートタイム気分の(無責任な)意欲だけはある学校司書や本好きボランティアおばさんに学校図書館を任せてもいいや!という発想になるのです。学校の教育のステイタスを体現する場所が学校図書館であるという認識があれば、学校図書館の重要性が理解されて、司書教諭という専門職の必要性も生まれると思います。

 『松嶋×町山 未公開映画を観るtv』はいろいろ考えされられる番組です。

00:05:23 | falcon | comments(0) | TrackBacks