July 13, 2009

ただの阿呆にアフォリズム文学は書けない

 国立国会図書館のNDL−OPACで、芥川龍之介著『侏儒の言葉』は日本十進分類法新訂9版によって914.6に分類されている。914.6は日本文学の明治以降の評論、随筆、エッセイである。

 たしかに『侏儒の言葉』はエッセイと言われるとなるほどエッセイ、随筆と言えなくもないが、日本文学では稀有の優れた箴言集・警句集であり、単なる気ままに書きつづったエッセイとは違う。

 箴言・警句のことをアフォリズムというが、芥川は早くからアフォリズム文学の最高傑作と言うべきアンブローズ・ビアスの『悪魔の辞典』を紹介している。『侏儒の言葉』は『悪魔の辞典』に影響を受けている。なので、917.6、もしくは917として分類するのが適当だと思う。

 昨日、講談社で出版された『筒井版悪魔の辞典』(文庫では上下2巻)を買った。学生に偉そうに説明しておきながら、『悪魔の辞典』は読んでいなかった。筒井康隆氏が訳したものだが、実に面白い。作者ビアスの意地悪精神も炸裂しっぱなしだが、当時のアメリカの事情や文化的・社会的背景を理解していないと、素直に笑えない。政治や選挙に関する警句は、現代にも十分通じる内容で、この時期、ぜひとも、お読みいただきたい。

 麻生総理も、『悪魔の辞典』をお読みになられて、民主党の方々をぎゃふんと言わせてはいかがだろうか。Falconは生意気な学生に言ってやりたい言葉を見つけている。
 そうそう、学生の大半が問題もなく、優秀なんだけどね。生意気な学生は1人か、2人程度ですよ。

14:45:19 | falcon | comments(0) | TrackBacks