December 13, 2009

公務員試験対策Part2

 大学の総合教養科目とか、一般教養科目とか、共通科目と呼ばれている科目の時間を甘く見てはいけない。

 おそらく多くの学生が「卒業単位になるから」「面白そうだから」「先生が厳しくなくて、楽勝科目だから」という理由で受講しているだろう。この推測は的中していると思う。

 せっかくなら、この時間を公務員試験対策のための時間として活用するのが得策である。

 よく考えてもらいたい。大学に入学金、授業料をいくら払っているのかを。「楽勝科目だから」ぐらいの理由で、出席して、聴く気もない講義に出席しているのは、馬鹿馬鹿しいくらい無駄である。
 もし、自然科学が苦手なら、自然科学の授業を受講する。公務員試験の対策として受講するという気構えを持てば、先生の話がヒシヒシと伝わってきて、干天に慈雨のごとく、頭脳にしみ込んでくる。先生の説明が下手なら、講義の後に解説を求める。学生から質問されて、怒る先生はいない(たまにいるけど、居たら珍しい)。そして、思い切って言ってしまおう。
 「俺、公務員試験のために、先生の講義、聞いています。」
 ここで先生は、はっと気が付く。目的意識を持って聞いている学生がいることを。
 次の時間から、説明がガラッと様変わりするだろう。

 ひとりでコツコツ過去問を解くのは息詰まる。
 もし経済学部、法学部が大学にあるなら、人気の先生の授業に潜り込んで受講させてもらおう。そのかわり、先生に理由を説明して、試験も受けない、単位は要らないと断ろう。成績をつける心配のない学生の受講を嫌がる先生はいない(珍しい奇特な学生がいるので、腰を抜かすかもしれない)。

 近年、大学も安全対策を厳しくしているので、他大学の学生が潜り込むのは難しいが、大教室の授業で潜り込むことは意外と簡単だ。そこで、授業料を払っていない他大学の授業に出席するのも悪くない。

 「ちょっと待った、この前、ブログの書き込みで、「だろう」とか、「かもしれない」って、使うなって書いていたよね」

 いいんです。これは研究論文とか、レポートじゃないから、「だろう」「かもしれない」と使っても、問題ありません。
 話を横道にそらさないでよ!

 まっ、大学に払っているお金を無駄にしないためにも、大学の先生を活用しよう。大学の先生とハサミは使いようだよ。

 ところで『司書とハサミと黄色い鉛筆』の5巻が出たらしいね。
 全然話は違うけど、『ヒトラーの秘密図書館』(文藝春秋)が予約中だ。『1Q84』のように予約注文で出版するらしい。予約なら、返本を少なくすることができるしね。

03:27:50 | falcon | comments(1) | TrackBacks

公務員試験という壁

 「図書館職員になるには、どうしたらよいのですか」とよく尋ねられる。
 私立の専門図書館、私立大学の図書館、私立学校の図書館の正規職員を目指すならば、それなりの方法はあるが、いかにせよ、機会、つまりチャンスがあまりにも少ない。
 となれば、公務員を目指すことになる。
 図書館職員で公務員を目指すとなれば、当然、職員採用試験を受験する。
 なんと言っても、その頂点にあるのが国立国会図書館職員採用試験である。1種、2種、3種とあり、学歴は関係ないので、大学を卒業していなくても受験できるが、年齢制限があり、3種を大学卒業者が受験することはできない。司書資格は受験の要件になっていない。司書および司書補は図書館法による公共(公立と私立)図書館の専門職員の資格であるから、国立国会図書館は当てはまらない。ついでに言っておけば、国立国会図書館は立法府である国会の図書館である。国立国会図書館職員採用試験の1種試験、2種試験は難関中の難関で、あまり勉強もしない学生には無謀というほかない。ちなみに、そういう学生に限って、妙に自惚れて、上昇志向が強い。
 そのほかには都道府県、東京特別区、市町村の職員採用試験を受験する。学歴は不問だが、年齢制限はあるので採用要件、受験資格をよく確認しておこう。
 正確にいえば、公務員ではないが、国立大学法人等職員採用試験の事務職員採用枠に図書系がある。これは以前の国家公務員採用試験の2種の図書を継承している。倍率が数十倍という時期もあり、公務員試験の中では航空管制官の試験に次ぐ高倍率の試験で、恥ずかしながら、この時期にFalconは合格した経験がある。現在の国立大学法人等職員採用試験の図書系での第1次試験の倍率は約7倍なので、合格もけして夢ではない。

 公務員試験は一般教養試験、専門試験、面接試験が組み合わさっている。採用試験によって異なるが、ほとんどの場合、一般教養試験がある。一般教養試験は判断推理、数値推理、文章読解、人文科学、社会科学、自然科学である。

 Falconは、一応、文系大学を卒業したので、人文科学は多少自信があった。また、自然科学は大好きだったので、苦は無かった。問題は社会科学である。政治、経済、法律、行政は無知に等しかった。政治と法律は新聞の解説欄を必死になって読んで、概説書を読んで、過去問を解いて、なんとか凌げた。問題は経済である。経済は基礎的な事項を積み上げて着実に理解しないと、問題の意味がわからない。少なくとも、公務員試験には大学の経済学部の2年、3年で学ぶ程度のことは出題される。試験対策の勉強を始めた時には、絶望して失神しそうだった。
 やさしく解説している経済学の概説書を読んだが、図やグラフ、数式、専門用語の羅列で、理解不能に陥った。
 そこで経済学史の本を読んだ。アダム・スミス、リカード、マルクス、ケインズなどの経済学者の簡単な伝記もを読んで、歴史の流れで理解した。
 もし、文学や歴史を専攻して、経済が全く解らないならば、経済学史の本を読むことを勧める。人文系の人間は歴史の流れ、物語の勢いで理解するのは慣れている。これを足がかりに、経済学の概説書を読むと、難解な理論もかなり理解できる。

 最近、AO入試や推薦入試で入学してくる学生が多く、受験勉強を全く経験していない学生が半数近くいる。
 公務員試験対策は、大学1年生から始めても、早すぎることは無い。むしろ遅すぎる!ましてや、受験勉強の苦労もしていない学生は、たった今から勉強するべきだ!

 こんなことを発言すれば、ホームから突き落とされるか、後ろからマフラーで首を絞められるかもしれないが、大学の教員で学生の将来を考えて講義をしている者は極めて少ない。ほとんどが自分の研究と年金の計算、名誉しか考えていない。大学の教員で、学校・研究施設以外で、就職活動をして、社会の苦い水を飲んだ経験のある者は、あまりいない。経済学部、法学部には、公務員や会社員の経験をした先生が少なからずいるが、人文系学部は学究肌の先生が多い。だから、学生から就職の相談をされても、答に窮する。就職活動で苦労した経験が無い。
 それだからと言って、人文系の先生を責めるのはやめよう。これは人権侵害にも等しい、弱い者いじめだ。人文系の学部にいる学生は、先生に頼らず、とりあえず大学の就職課に期待しよう。
 Falconは、微力だが、学生の就職のことを考えたいと思っている。自分も就活で苦労したので。

01:22:05 | falcon | comments(2) | TrackBacks