December 12, 2009

文章の書き方

 コメントありがとうございます。

 mediumとmediaには「霊媒」という意味もあります。それは「仲介するもの」という意味で、つまり霊媒は「神や霊魂の世界」と「人間の世界」を仲介しているからです。英語の辞書でmediumを調べると最後のほうに「霊媒.巫女」という意味があります。今日のメディアは「情報の世界」と「人間の世界」をつなぎ、仲介しているわけです。

 さて試験についてですが、立場上、迂闊なことを話せないのですが、私は論述問題を出題する時には、大きいテーマについて、いくつかのキーワードを指定して論述させます。学生には必要最低限の事項を簡潔に論述するように指示しています。
 このブログでも、紹介したと思うのですが、野矢茂樹著『論理トレーニング.−新版』『論理トレーニング101題』(産業図書)は一読の価値、それどころか百読の価値があります。文書を読むうえでも、文章を書く上でも役立ちます。日曜日では読むのは大変でしょうが、次の試験までに読んでおくと、文章が見違えるほど磨かれるはずです。

 高校時代の私を御存知ならば、文章をだらだら書いていたことを覚えているでしょう。
 大学に入って研究会で文章を書いたり、大学院時代に論文指導を受けて、長く書くことを避けるようになりました。
 最近はブレインストーミングして、キーワードをコンセプト・マッピングで配置して整理して、論理的な関係を明らかにして、文章を書くようにしています。

 学生たちの文章を読んでいると、「のである」「ものである」「のだ」という無駄な文末表現が目立ちます。「であるのかもしれない」「にちがいない」「であるはずだ」「でなければならない」という推量・推定・断定表現は、根拠が希薄で、自分勝手な主張を押し付ける見苦しい印象を与えます。文末表現はできるだけ、言い切りの形にこだわります。ちょっと、そっけない印象を与える文章になりますが、読みやすくなり、ぐっとスリムで、筋骨隆々の、しかも、しなやかな文章になります。長く書いたとしても、長く書くだけの理由が表明された文章になります。

 試験前の余計なお節介を書きました。少しでも役に立てば、望外の幸せです。
 

00:26:11 | falcon | comments(1) | TrackBacks