November 08, 2009

なつかしい王冠バッチ

 先日、千代田区の図書館巡りをしたことを書きました。

 千代田区立図書館はよくご存じでしょう。
 千代田図書館の見学を終えて、靖国通りに戻ると、九段下の交差点の近くに昭和館があります。
 ここは幕末の安政年間に蕃書調所があったところです。いわば、幕末の洋書専門の図書館です。その蔵書の一部が東京大学の図書館に引き継がれました。
 昭和館の展示室は有料ですが資料室は無料で公開されています。ここの児童書の棚から、昭和のころの子どもの生活の図鑑を取りだし、王冠バッチ(バッジ)を見つけて、なつかしく思いました。子どもの頃、父が瓶ビールを飲んでいると、ビール瓶の栓の裏側のコルクをはがし、シャツの裏にコルクをつけて、栓、つまり王冠を固定させて、バッチにしたんです。今から考えると貧乏たらしい気がしますが、昭和の子供にとっては、メンコやビー玉などとともに心がなごむ思い出です。資料室は太平洋戦争中から戦後の資料があり、研究するのもよし、なつかしい思い出に浸るのもよしでお勧めです。近くにはしょうけい館(戦傷病者資料館)もあります。また、靖国神社には偕行文庫があり、太平洋戦争時代を総合的に研究するには興味深いと思います。新宿には平和祈念展示資料館もあります。

 そこから、地下鉄で大手町まで行き、今度は銀行図書館へ行きました。江戸城跡、つまり皇居の御濠の近くにあります。全国銀行協会の建物の7階にあり、物々しい警備なので、ちょっと気軽に入りにくいところですが、銀行に関する興味深い資料があります。

 そこから歩いて、今度は気象庁の図書館へ行きました。今までは昼休みは閉館していたようですが、訪れた日から昼休みの開館が始まりました。この日は見学依頼をしていたので、書庫(積層式)の中まで案内してもらい、明治時代初めて書かれた天気図(手書きの原本はなく、それを印刷した冊子本がある)、寺田虎彦のベルリン大学時代の恩師のヘルマン教授の蔵書を見せてもらいました。まもなく気象庁は移転するようで、蔵書の整理を始めています。
 気象庁のゆるキャラ、はれるんにも注目!ネット上に「はれるんライブラリー」があります。はれるんは、頭と顔が太陽で、胴体が雲、スカートのような部分が雨を表しています。

 地下鉄に乗り、夕闇せまる飯田橋へ行き、香りの図書館を訪ねました。ここはフレグランスジャーナル社が収集した資料を一般に公開している図書館です。香りに関する図書を中心に、心理学、脳科学、アロマセラピー、料理、香りや匂いがテーマの小説、学術論文などを収集しています。閲覧スペースは、けして広いとは言えませんが、資料はとにかく充実しています。残念なのは分類が独自の分類でわかりにくく、分類記号の区分のあと、受入順になっているようで、関連する主題の図書が離れて排架されています。さらに目録が無く、入口にいる館長さんにパソコンを検索してもらわなければなりません。入館料が200円かかります。館内でハーブティーを飲むことができます。Falconはハイビスカスのハーブティーを飲みました。
 飯田橋から九段下へ向かうに道沿いは、大学発祥の地が多く、東京農業大学、國學院大學の前身の皇典講究所、その皇典講究所の夜間部から始まった日本法律学校(現在の日本大学)など、数多くの大学が、このあたりに集中していたことが石碑からわかります。今でも周辺には法政大学、専修大学、日本大学経済学部・法学部、共立女子大学、順天堂大学、東京医科歯科大学、明治大学などがあり、明治時代から学生街だったんですね。

 木曜日に、最近開館した明治大学の米澤喜博記念図書館へ行きましたが、閉館していました。開館日が限られていますので注意しましょう。

00:00:38 | falcon | comments(0) | TrackBacks