October 27, 2009

赤いザリガニ



 またまた、あの岩波科学ライブラリーから『ザリガニ』が刊行された。
 Falconが育った東京の郊外では、今から20年以上前、空き地や雑木林が残っていたので、自然が豊かだった。それに多摩川と流域に広がる田んぼでは、カエルやオタマジャクシ、ザリガニなどがよく取れた。
 ずうっと疑問だったのは、こんなに身近にいるザリガニなのに、図鑑を見ると「アメリカザリガニ」と書いてあったことだ。日本にいるのに、なんでアメリカなの?
 後で、アメリカから輸入されたことは知ったけれど、ならば、ニホンザリガニはいないのか?という疑問が残っていた。
 それは、先日、NHKの『ダーウィンが来た!生き物新伝説』で取り上げられたので、解決した。ニホンザリガニは北海道と東北地方の一部に住んでいた。アメリカザリガニが本州以南で繁殖して、ニホンザリガニを駆逐して、北海道に残ったのかと思ったら、ニホンザリガニはもともと北海道に住んでいて、ニホンザリガニの体の一部が江戸時代に薬として珍重されていたらしい。

 日本には輸入されたウチダザリガニがいるようで、これが北海道で繁殖して、生態系を崩しているらしい。

 それにしても、アメリカザリガニも見かけなくなった。それだけ身近な田んぼや用水路、沼、池が少なくなってきた。
 たしかに用水路や沼、池は、子どもが遊んで、溺れる水難事故が多いから危険だけれども、危険が身近にあって、常に緊張感にさらされることが大切な気がする。
 ハサミを振り上げて、威嚇するアメリカザリガニが姿を消してゆく。どこか哀愁を感じてしまう。
 読み終えて、少年の日を思い出して、映画『スタンド・バイ・ミー』のエンディングと重なった。

23:25:50 | falcon | comments(0) | TrackBacks